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税務トピックス 2023月12月12日

宝くじ当選金 共同購入で無税

 年末ジャンボ宝くじが12月22日まで販売されています。今回は1等7億円が23本、前後賞合わせると10億円。抽選は12月31日に東京オペラシティで行われます。1等の当選確率は約2000万分の1で、パーセントにすると0.000005%という極めて低い確率ですが、それでも10億万長者という夢をみて、今年も多くの人が購入売り場に列を作っています。

 宝くじを買う際には、「当たったら半分あげるよ」と冗談まじりに言うことがありますが、本当に当たって約束通りに半分を与えることになったときは、税務上は大変なことになります。宝くじに税金がかからないのはよく知られるところであるものの、当選後の贈与となればそうはいかないためです。

 10億円当たって半分の5億円を譲渡すれば、基礎控除110万円を引いた残りの4億9890万円に最高税率の55%を掛け、そこから控除額の400万円を差し引いた約2億7000万円が贈与税として持っていかれることになります。すなわち、約束どおり5億円を分けてもらっても、手元に残るのは2億3000万円だけとなります。

 本当に「当たったら半分あげるよ」を実行するつもりで、当選時に当選金を減らすことなく分けるには、共同購入するべきです。そして、当選金を受け取る際に、分けたい相手と一緒に銀行へ行き、共同で宝くじを購入したことを伝えると、当選金も共同で、それぞれが受け取ることができます。これで贈与税は回避できるというわけです。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2023月12月12日

年末調整は大変! 今年の変更点

 年末調整を終わらせなければならない期限まで残りわずかとなりました。今年の年末調整では、住宅ローン控除や海外親族の扶養控除、配偶者の退職金に関する記載欄の新設など、小粒ながら多くの人に関わる見直しが講じられています。

 今年の年末調整から変わったこととして、配偶者・扶養親族が受け取った退職手当等を記載する「退職手当等を有する配偶者・扶養親族」という欄が新設されたことがまず挙げられます。所得税の計算では、合計所得金額に退職所得を含む一方、住民税では退職所得は含まれません。そうなると例えば今年に退職した配偶者がいる場合、所得税では所得上限に引っかかって配偶者控除を受けられないものの、住民税では控除を受けられることがあり得ます。これまでの書式では扶養親族の退職手当を把握できず、住民税の控除漏れが散見していたとして新たな記入欄が追加されました。

 ふたつめの見直しは、海外に住む扶養親族の控除要件が厳しく制限されたこと。これまでは16歳以上の国外扶養親族が対象となっていましたが、今年からは「30歳以上70歳未満」のいわゆる現役世代が原則として除外されることとなりました。国外親族の生活実態については把握が難しく、ある程度稼いでいた親族でも扶養控除が認められていたとの指摘を踏まえ、見直されたものです。今年からは、留学などの理由で国外にいる親族、障害者、生活費・教育費として年38万円以上の支払を受けている人という3条件のいずれかに当てはまらない限り、現役世代は扶養控除を適用できません。

 みっつめの見直しが、住宅ローン控除の控除率と適用期間の変更。2021~22年度の税制改正で、住宅ローン控除は大きく変わりました。所得上限が引き下げられ、控除期間が一定の要件を満たすことで13年に延長され、控除率も従来の1%から0.7%へと引き下げられています。これらの見直しは昨年から行われていましたが、住宅ローン控除では1年目は確定申告を行い、2年目以降は年末調整で控除手続を行うため、控除率見直しの影響を受ける年末調整は今年からということになります。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2023月12月5日

《コラム》相続対策と課税の公平

 タワーマンション事件では、被相続人が事業承継の目的で取得したマンションの相続税評価は、財産評価基本通達(評価通達)によるのではなく、総則6項を適用した鑑定評価額によるとして追徴課税されました。
 相続人は相続税評価額をマンション取得のための借入金と相殺し、相続税額をゼロと申告しましたが、銀行に残された資料等から一連の取引が租税負担の軽減を意図したものであると認定されました。

◆相続対策に対する課税
 相続対策は、生前に財産を組替え、移転させることにより、課税価格を少なくして相続時の税負担を圧縮させるものですが、これらは法令に従う限り、本来、適法であり、実際、申告には路線価等に基づく評価が求められます。
 一方で、評価通達には、総則6項が別に定められており、通達による評価が著しく不適当と認められるときは、評価通達ではなく、国税庁長官の指示を受けて評価すると規定されていますが、その場合は納税者の意に反して課税されることになります。総則6項の「著しく不適当」がどの程度を指すのか明確に規定されていませんが、最高裁は実質的な租税負担の公平に反する事情がある場合には、合理的な理由があると認められるので、評価通達によらなくても平等原則に反しないと判示しました。

◆租税法律主義との相克
 評価通達によらずに課税庁が評価するとなると、そこには課税庁の恣意性が働き、納税者にとっては自分の申告が適法か予測できず、いつ否認されるかわからない不安定なものとなってしまいます。
 総則6項を適用するのは、行き過ぎた税負担の圧縮が行われたときとされますが、その判断を納税者に求めるのは無理があり、課税庁が財産評価を決め、変更することを自由にできるのであれば、申告納税制度の根幹が損なわれてしまいます。

◆租税公平主義を意識した相続対策
 国税庁はパブリックコメントでマンションなど居住用の区分所有財産の評価について、市場価格と相続税評価額との乖離を埋める基準を公表しましたが、相続対策に対する判断基準を示しているわけではありません。課税庁には恣意的な課税をさせないため、適正な課税ルールを法律で定めることを求めつつ、納税者には今後も租税公平主義を意識した相続対策が求められそうです。

税務トピックス 2023月12月5日

税の金言「結婚は年内、離婚は年明け」

 昔から有名人の結婚や離婚が公表されるのは年末年始が多いといわれます。この理由の一つには、私生活をオープンにしたくない芸能人が、ワイドショーの放送が特番などでつぶれる年末年始に報告することで、情報の拡散を抑えることにあるそうです。

 芸能人ではない一般人でも、年末や年始を待って結婚や離婚を考える人はいるかもしれません。その理由は「税金」です。

 結婚もしくは離婚を考えているなら、税金面だけを見れば「結婚は年内に、離婚は年が明けてから」といわれます。その理由は、所得から一定額を差し引ける配偶者控除の適用条件が「その年の12月31日時点で配偶者がいること」と決められているからです。結婚生活がたとえ大晦日だけの1日でも、配偶者控除は適用可能。そのため、結婚をするなら年内に駆け込んだほうが税金面では得ということになります。もっとも2018年からは配偶者控除には所得1千万円という上限がかけられているため、高所得者にはあまり関係ないことかもしれません。

 同じ理由で、たとえ結婚生活が破綻していても、離婚するのは年明けまで待ったほうが税金面のみをみれば得といえます。前述のとおり配偶者控除は12月31日時点での状況で判断されるため、その年の大半が婚姻期間であっても、大晦日の時点で離婚していればその1年について控除が受けられません。

 もちろん結婚や離婚であれ、税金の損得だけで決める話ではありません。ただ1日の違いで控除できるかどうかが変わることは頭の片隅に置いておきたいところです。

<情報提供:エヌピー通信社>

その他 2023月11月28日

【時事解説】エネルギー安定供給と脱炭素を両立させるCCSとは その1

 脱炭素は世界共通の課題で、各国様々な取り組みを講じています。中でも、温暖化防止のため、火力発電を削減しようという動きが広まっています。2021年、COP26(国連気候変動枠組み条約締約国会議)では、気温上昇に歯止めをかけるため石炭火力発電を削減する方向が決まりました。
 というのも、発電の中で最もCO2の排出量が多いのは火力発電です。ただ、CO2を削減しようと火力発電をやめて、太陽光発電だけにすると、電力を賄いきれず電力供給に問題が生じる恐れがあります。

 そんな中、注目を集めているのがCCSです。これは、Carbon Capture and Storageの略で、日本語では「CO2の回収・貯留」となります。具体的にいうと、火力発電などで出されるCO2を回収して地中に埋める脱炭素技術を指します。この方法により、大気中へ放出されるCO2を減少させることができます。CCSは既存の火力発電施設を稼働し続けられるため、エネルギー安定供給と脱炭素を両立させる技術として期待されています。回収されたCO2は地中に封じ込められ、最終的には岩と反応し鉱物を形成します。あるいは、塩水に徐々に溶かす方法もあります。

 近年では、回収したCO2を化学品原料などへ再利用する「CCUS」への期待も高まっています。CCUSの具体例を挙げると、回収した炭素をカーボンナノチューブという素材の成分に変え、それをリチウムイオン電池や電子機器、自動車部品の素材として用いる方法があります。
 また、手法の一つとして、EOR(原油増進回収)は、古い油田にCO2を注入することで、油田の寿命を延ばせるようにもなります。

 削減しきれないCO2を地中に貯蔵するCCSは、カーボンニュートラルの実現に不可欠といわれています。今後、世界各国における取り組みは活発化しそうです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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