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税務トピックス 2022月11月29日

フラット35の不正状態放置

 長期固定金利の住宅ローン「フラット35」で融資を受けながら自らが居住せずに第三者に賃貸するなどの不正利用が行われていた問題で、会計検査院は10月、フラット35を提供する独立行政法人住宅金融支援機構(以下「機構」)に対して問題発覚後も不適切な状態が放置されていたと指摘する調査結果を公表しました。本来の利用条件を逸脱した状態は計56件に上り、使われた税金は約19億円に達していました。

 「フラット35」は35年固定金利の住宅ローンで、民間金融機関の融資した住宅ローンを機構が譲り受ける仕組み。住宅購入希望者にとっては、長期間の変動金利のリスクに影響されないというメリットがあり、国にとってはマイホーム購入のハードルを下げることで新築市場の活性化が期待できるという狙いがあります。
 そうした制度目的を踏まえ、フラット35はマイホーム目的であることと自己居住が条件ですが、近年になって投資用のマンションにフラット35を適用する不正が問題となっていました。

 検査院は今回、過去に不適正な事例が発覚した大都市にある中古マンションの購入用などの融資から計7100件を抽出して、居住実態などを調査。その結果、自らが居住せず第三者に賃貸していたケースが45件、住宅用から事務所や店舗などに用途変更されたケースが11件ありました。なかには融資当初から居住実態がないケースも5件あったそうです。
 具体的には、東京都港区の中古マンションを別荘として購入するとして約5千万円の融資を受けながら購入から約10カ月後に第三者に賃貸した例や、約3500万円の融資を受けた利用者が後に事務所として第三者に貸していた例などが確認されました。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2022月11月22日

《コラム》企業型DCの加入者がiDeCoを利用しやすくなった

◆企業でも自分でも積み立てできるように
 確定拠出年金は公的年金とは別に企業や個人で積みたてて運用する私的年金です。企業で加入するDC(企業型)と個人で加入するiDeCoは、今までは企業型に入っているとiDeCoに加入できませんでしたが、2022年10月から両方に加入できるようになりました。また、企業型DCに加入している方がiDeCoに加入するには企業の労使合意が必要でしたが、原則それなしで加入することができるようになりました。

◆掛け金額の上限があります
 iDeCoの掛け金は各月の企業型DCの事業主掛け金と合算して月額5.5万円、さらに企業型DCだけ加入しているときはiDeCoの拠出限度額の上限は2万円です。
 企業型DCと確定給付型の他制度も加入しているときは合算してDC掛金は月額2.75万円、iDeCoの拠出限度額は1.2万円を超えることはできません。
 例えば企業型DCのみ加入で企業型DCの事業主掛け金が3万円であった場合、月額5.5万円-3万円=2.5万円(iDeCo拠出限度額は2万円まで)となります。
 また、以下の2点が要件になります。
①掛け金(企業型DCの事業主掛け金・iDeCo)が各月拠出であること
②企業型DCのマッチング拠出(加入者本人から掛金徴収)を利用していないこと

◆5月から年齢要件が拡大されています
 2022年5月からは企業型DC もiDeCoも加入可能年齢が引き上げられています。
 企業型DCは厚生年金被保険者(原則70歳未満)であれば企業型DCの加入者とすることができます。企業は労使で一定年齢未満の加入を定めることはできますが、60歳より低い年齢にはできません。
 iDeCoにおいては会社員、公務員等(国民年金2号被保険者)自営業者、専業主婦(夫)等(国民年金3号被保険者)が加入者ですが60歳以上65歳未満で国民年金の第2号被保険者、任意加入者、海外居住で国民年金任意加入者も加入でき、引き続き加入するためには受付金融機関に手続きが必要です。
 企業型もiDeCoも老齢給付金の受給開始年齢は60歳から75歳までの間で選択できます。

税務トピックス 2022月11月22日

副業通達を大幅見直し

 コロナ禍で増えたサラリーマンの副業を巡り、国税庁はかねてより公表していた「収入300万円以下を原則雑所得とする」との通達改正案を撤回し、帳簿書類の保存を条件とする新たな見直し案を公表しました。通達案は副業で赤字を作って給与所得を減らす節税スキームを規制する目的で作られていましたが、基準の根拠が不明瞭であるなど反対意見も多く、7千件を超えるパブリックコメントが寄せられていました。

 10種類ある税制上の所得区分のうち、サラリーマンが行うような副業は主に「雑所得」となりますが、継続性や規模によっては「事業所得」となります。雑所得であれば、他の所得との損益通算ができません。一方、事業所得と認められれば、他の種類の所得で出した損益を通算することが可能。そのため、副業の事業所得で経費を多く計上してあえて赤字を出すことで、給与所得と通算して税額を減らすケースが散見していました。

 国税庁がパブコメとして公表した案は、副業収入が300万円を超えないかぎり、原則として雑所得として扱うというものでした。反証があれば事業所得と認める可能性も残していましたが、パブコメでは「実態を見て判断すべきであり、形式的な基準を設けるべきではない」、「300万円という基準の根拠が不明である」など反対する声が相次いでいました。

 これを受け、10月に公表されたパブコメの結果報告では、300万円の形式基準が全面的に廃止されています。それに代わり、事業所得かどうかは実態で判断するとの前提を置いた上で、「その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合には、雑所得に該当する」と記載し、事業所得として認められる条件として「帳簿書類の保存」を設けました。

 国税庁はこの根拠として、「一般に帳簿書類の保存がある場合には、営利性や有償性、継続性や反復性、自己の危険と計算における企画遂行性があると考えられる」とした上で、「所得税法上、事業所得者には、帳簿書類の保存が義務づけられている点に鑑み、帳簿書類の保存の有無で所得区分を判定することとし、通達を別添のとおり修正」したと見直しの理由を説明しています。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2022月11月15日

《コラム》働く高年齢者年金額増額 在職定時改定

◆60代後半の在職者に毎年年金額が増える
 老齢厚生年金の受給権者が厚生年金保険の被保険者であった場合、今までは65歳以降の被保険者期間は資格喪失時(退職時、70歳到達時)にのみ年金額が改定されることになっていました。しかし働く高年齢者が増えて、就労を継続していることの効果が退職を待たずに年金額に反映されることになりました。年金を受給しながら働く人の経済基盤の充実を図るため、令和4年4月からは在職中であっても年金額を毎年10月分から改定する制度が導入されました。

◆在職定時改定とは
 在職定時改定は毎年9月1日の基準日において被保険者である老齢厚生年金の受給者の年金額について、前年9月から当年8月までの被保険者期間を算入し基準日のある月の翌月(毎年10月)分の年金額から改定されます。
 令和4年10月分については65歳到達日から令和4年8月までの厚生年金保険に加入していた期間も含めて年金額が改定されます。対象者となるのは65歳以上70歳未満の老齢厚生年金の受給者です。65歳未満の人は、老齢厚生年金を繰り上げ受給していた場合でも在職時改定の対象外です。この在職定時改定は基準日の9月1日に厚生年金保険の被保険者である必要がありますが、9月1日に資格喪失をしてそこから1か月しないうちに被保険者の資格を取得した場合、9月1日の時点では被保険者ではないのですが、在職定時改定として年金額の再計算が行われます。

◆年金の一部か全額が支給停止の可能性も
 年金の再計算が行われる結果、報酬との調整で年金の一部又は全額が支給停止になる場合がないとは言えません。年金支給停止額は次のようになっています。
【停止額の計算】
・基本月額と総報酬月額相当額の合計が47万円以下の時=支給停止なし
・47万円を超える場合
 (総報酬月額相当額+基本月額-47万円)×1/2 = 支給停止額 となります。
 60代後半で新たに支給停止になる方は元々給与額が高めの方であったとも言えるでしょう。

税務トピックス 2022月11月15日

相続登記の義務化 6割超が「知らない」

 相続した不動産の登記が2024年4月からは法律上の義務となることを過半数の人が知らないとの調査結果を法務省が発表しました。利用する当てのない土地について、一定条件を満たした上で国に帰属させられる新制度についても大半の人が知りませんでした。相続登記の義務化は過去の未登記地についても適用されるため多くの人にとって関係のある話ですが、周知が進んでいない現状が浮き彫りとなっています。

 調査結果では相続登記の義務化について、「全く知らない」と答えた人が43.1%に上りました。「聞いたことがあるがよく知らない」の23.3%を合わせると、約66%の人が制度を知りませんでした。世代別にみると、「詳しく知っている」「大体知っている」と答えた人は20代が最も多く、「よく知らない」「全く知らない」と答えた人は40代が最多。50代でも制度内容を知らない割合が高く、近い将来に土地を相続する可能性がある40代~50代の現役世代で周知が進んでいないことが分かりました。

 相続登記の義務化に先立ち、23年4月からは、一定条件を満たした上で相続土地を国庫に帰属させることができる「相続土地国庫帰属制度」がスタートします。同制度についての認知度を聞いたところ、「全く知らない」が61.3%と過半数を占め、「よく知らない」の22.7%を合わせると約84%が制度内容を把握していない結果となりました。

 一方で、新制度に対して半数近い人が関心を寄せている現状も示されています。相続土地国庫帰属制度についてどの程度関心があるかという質問に対して、各世代で4割ほどの人が「関心がある」と回答。特に30代では「大いに関心がある」15.5%、「少しは関心がある」34.0%と、ほぼ半数の人が自身に関係のある問題として捉えていることが分かります。

<情報提供:エヌピー通信社>

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