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税務トピックス 2021月10月26日

文科省が今年もゴルフ税の廃止要求

文部科学省は2022年度税制改正要望で「ゴルフ場利用税」について9年連続で見直しを求めました。同省は「スポーツの中で唯一、ゴルフにのみ課税されている状態であり、他のスポーツと同様に課税対象とすることなく、公平に行える環境を整えるべき」と主張しています。

ゴルフ場利用税は、国体のゴルフ競技に参加する選手や18歳未満、70歳以上、障害者、学校の教育活動として利用する場合を除き、利用者に課税されます。ゴルフ場の規模や整備状況によって1級から8級までに分類され、ゴルフ場の整備状況に応じて1日1200円を限度に税率に差を設けられています。

2003年のゴルフ場利用税の非課税措置導入以来、非課税措置を利用した人は411万人から1932万人(19年度)に、また総利用者数に占める割合は4.6%(03年度)から22.5%(19年度)に増加していて、同省は「ゴルフ場利用税の見直しはゴルフ場利用者の増加に効果があり、スポーツ実施率の向上及びゴルフの振興につながる」としています。

ゴルフ場利用税の前身は、1940年に国税として導入された入場税。その後、パチンコ店やマージャン店などとともに「娯楽施設利用税」という地方税となったという経緯があります。さらに89年の消費税創設時に、国税の入場税、地方税の娯楽施設利用税が廃止されましたが、「スポーツの中でゴルフ場利用税だけが存続し、消費税との二重課税となっている」(同省)と指摘しています。

ただ、ゴルフ場利用税は地方自治体にとっては欠かせない財源。1年間の税収は約500億円に上り、その7割は都道府県からゴルフ場がある市町村に配分されます。地方税を所管する総務省や自治体の反対は根強くあります。自治体側は「ゴルフをやる方々は所得が高く担税力のある方々が多いので、一定の負担をいただくのが筋だ」と一歩も譲らない構えです。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2021月10月19日

《コラム》新型コロナウィルス感染症が雇用・労働に及ぼした影響

◆令和3年版『労働経済の分析』より
2020年に新型コロナウィルス感染症の影響を大きく受けた労働経済でどのような影響がどれくらいあったのか、分析結果が発表されたので紹介します。
感染拡大の防止のための経済活動の抑制により2020年4月には就業者数、雇用者数が約100万人減少。その後穏やかに回復したが年内には元に戻らず、一方で非労働力人口は4月に約100万人増と大幅に増加した後、穏やかに減少し元の水準に戻っています。
就業者数、雇用者数が減った一方、完全失業者数、完全失業率は緩やかな上昇傾向で10月には完全失業率3.1%でした。

◆労働移動・労働環境
転職者数(過去1年以内に離職経験のある就業者)の推移をみると、2020年は感染拡大の影響により2010年以来10年ぶりに減少に転じ32万人と減少幅も大きくなっています。転職理由も前年より変化し、2020年には「人員整理、勧奨退職」が増え、前年の「より良い条件の仕事を探すため」の転職者は大きく減少しています。
雇用者全体の賃金総額は企業の雇用維持の取り組みや政策の下支えにより小幅な減少にとどまっています。雇用調整助成金が失業の抑制とはなっているが成長分野への労働移動を遅らせています。産業別の雇用者の増減では、情報通信業や医療福祉関連は堅調に増加が続いているが、宿泊、飲食、卸売・小売、娯楽では減少幅が大きくリーマン・ショックの時のように製造業での減少が目立った例とは異なっています。
働き方改革に関連した指標の状況では法改正と新型コロナが重なったこともあり、長時間労働の是正で労働時間は大きく減少、年次有給休暇の取得率も上昇しています。

◆テレワーク定着に向けた分析
テレワークの実施状況を開始時期別にみると、感染拡大前からテレワークを実施していた企業や労働者の方が感染拡大下でテレワークを始めた企業や労働者よりも継続割合が高い結果が出ました。途中でテレワークを実施しなくなった企業の理由をみると業務の性質や感染の影響の外、仕事の進め方やテレワークの環境整備といった労務管理上の工夫が必要であり、対応可能な事項(コミュニケーション、業務進捗の把握、テレワークを行う環境整備等)などが課題となっています。

コラム 2021月10月19日

《コラム》個人事業主の家賃按分

◆家賃は按分して経費になる
自宅で仕事をしている個人事業主は家賃を経費にできますが、その場合の家賃は事業用だけではなく、個人の生活のために払っている費用も含まれています。
国税庁のWebサイトを参照してみると、経費にできるのは、
①総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
②その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
と説明されています。簡単に言うと経費になるのは「事業を行う上で直接発生した費用だけ」ですから、事業主部分の家賃と生活のための家賃を分けて、事業主部分の家賃は経費となるわけです。

◆按分の方法と注意点
「按分の方法」については、実績が問われますから、利用した時間や使用している面積などを参照します。賃貸の場合は家賃を、持ち家の場合は減価償却費を按分することになります。
大切なのは按分した金額の根拠を税務署に聞かれた時に、客観性のある根拠に基づいて説明できるか、ということです。例えば賃貸契約書や間取り図、家賃の支払いが分かる通帳記録、自宅での作業時間を記録していたもの等、根拠となり得るものを揃えておく必要があります。
ただし、配偶者や親族に支払う地代家賃は経費になりませんから、注意が必要です。また、家賃按分については白色申告の場合、事業用の割合が5割を超えていなければ認められません。

◆住宅ローン控除適用にも注意
持ち家で居住・事業両方に利用している住宅を建て替える際、住宅ローン控除が適用されるのは事業用部分が50%未満の場合となります。また、居住部分が50%以上であっても、住宅ローン控除が適用されるのは居住用部分のみとなるため、持ち家の事業分の減価償却費を按分した結果、その割合分は住宅ローン控除が受けられなくなります。

その他 2021月10月12日

最低賃金を下回っていいケースとは?

厚生労働省がこのほど発表した最新の最低賃金(時給)は、全国平均で過去最高の28円増となりました。全都道府県で時給が800円を超え、コロナ禍で経営に苦しむ事業者にとっては厳しい負担増となります。

最低賃金は正社員だけでなくパート、嘱託、アルバイトなど雇用の形態を問わず全ての労働者に適用されます。違反が発覚すれば差額の支払いに加え、法律違反として罰金が科されることもある、大変厳しい強制力を持つものです。

ただし一定の例外のケースに限っては、最低賃金を下回る給料を設定してもいいともされています。その例外に当たるのは、①精神または身体の障害により著しく労働能力の低い人、②試用期間中の人、③認定職業訓練を受け、厚生労働省令で定める人、④軽易な業務に従事する人、⑤断続的労働に従事する人です。

実際には、それぞれで厳しい条件が設けられています。例えば②「試用期間中の人」はみんな最低賃金を下回って問題ないかというと、そうではありません。最低賃金の減額が認められるためには、試用期間中の労働者の賃金を著しく低く定める慣行が存在するなどの条件を満たす必要があります。単に経営が厳しいなどの理由では許されません。

過去の適用件数を見てみると、試用期間を理由に最低賃金の減額が認められたのは、1年に1件にも満たない状況です。試用期間を理由に最低賃金を無視するのは非現実的と言わざるを得ません。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2021月10月12日

低未利用地の控除制度、半年で2千件

昨年の夏に始まった「低未利用土地の譲渡に係る100万円控除制度」について、国土交通省はこのほど、利用状況および適用事例について調査しました。同制度は、地方部を中心に全国的に空き地・空き家が増加するなか、土地の譲渡を促進するために創設されました。個人が保有する低未利用土地を譲渡した場合の長期譲渡所得から100万円を控除することで、土地の有効活用を通じた投資の促進、地域活性化、さらなる所有者不明土地の発生の予防を図ることを目的としています。

2020年7月1日から22年12月31日までの間で、譲渡した個人が低未利用土地などを500万円以下で売った場合は、売主の長期譲渡所得から最大100万円を控除することができます。その譲渡所得の金額が100万円に満たない場合は、その譲渡所得の金額が控除額になります。また譲渡した年の1月1日に所有期間が5年を超えていなければなりません。

昨年7月から同年12月までに、自治体が低未利用土地等の譲渡に対して確認書を交付した件数は2060件で、すべての都道府県で交付実績があり、平均で約44件でした。1件当たりの譲渡額は平均231万円。また、譲渡前の状態は空き地が約6割で、譲渡後の利用は住宅が約6割でした。所有期間については、30年以上保有している土地が約6割となりました。

北九州市に住む所有者の事例では、両親が住んでいた山形・鶴岡市の空き家を解体して売却し、新たに住宅用地として譲渡したというケースがあります。所有者が管理のために定期的に現地を訪問するなど、交通費や宿泊費等の負担があったものの、この特例により、13万円ほど税負担が軽減され、解体後売却することができたそうです。

<情報提供:エヌピー通信社>

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