お知らせ/トピックスTOPICS

その他 2022月12月6日

【時事解説】デジタル給与解禁、新しい給与振り込みの形とは その2

給与が「○○ペイ」といったデジタルマネーで受け取れるようになります。これは、キャッシュレスで生活している従業員にとってもメリットがあります。最近は、買い物の支払いをデジタルマネーで決済し、現金をほとんど使わないという人が増えています。ただ、「○○ペイ」といったデジタルマネーはあらかじめお金をチャージしておかなければ利用できません。今回の法改正により、決済アプリの口座に直接給与が入るようになれば、銀行のATMなどから給与を引き出す手間が省け日常の買い物もしやすくなります。

 とはいえ、デジタル給与に対して、安全性に疑問を抱く人も少なくありません。そこで、今回の制度では、デジタル給与に対応する業者には厳格な参入要件を設け、要件を満たす企業を厚労相が指定する形をとる予定です。また、サービスを提供する企業が破綻した場合に備え、個人が預けた資金の残高の全額を保証する仕組みの導入も義務付けられるといいます。こうした流れの中、損保大手では、デジタル給与を保証する保険の開発に取り組む動きも見られます。

 ほかにも、デジタル給与をビジネスチャンスとみなし、参入する企業も増えています。デジタル給与の受取口座には毎月多額の資金が流れ込むので、決済サービスを提供している企業にとっては、受け取った資金を用いてよりよいサービスを提供することで顧客増加が期待できます。

 現在、PayPayや楽天ペイ、メルカリ傘下のメルペイなどがデジタル給与の事業に参入を前向きに検討しています。ほか、リクルートも参入を検討しています。同社は給与の計算を簡素化できる機能など、給与振り込みの業務負荷低減も含めたサービスを開発しています。今後、参入企業がどのような競争を繰り広げるのか目が離せません。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

コラム 2022月11月29日

《コラム》一括償却資産の損金(必要経費)算入のタイミング

◆一括償却資産とは
 パソコンなどの器具及び備品その他減価償却資産を取得した際に、取得価額が30万円未満の少額である場合には、法定耐用年数より短い期間で損金(法人税)・必要経費(所得税)(以下、“経費”とします)にできる規定があります。
(1)10万円未満の場合は消耗品等として取得時に全額経費となります。
(2)10万円以上20万円未満の場合は、一括償却資産として3年間の定額償却にできます。※下記(3)の選択も可能です。
(3)10万円以上30万円未満の場合は、300万円を限度として全額経費にできます。ただし、これは中小企業等のみに適用です。
 取得価額10万円以上20万円未満の資産で耐用年数よりも短い期間で経費にできるのが「一括償却資産」です。この制度は中小企業等以外の法人も使えます。金額の上限もありません。

◆一括償却資産のメリットとデメリット
 一括償却資産のメリットは、3年での定額償却ですので、個々の資産の本来の法定耐用年数の確認をする必要がなくなります。また、本来の耐用年数よりも早く経費にすることができます。さらに、一括償却資産は償却資産税の申告対象から外れますので固定資産税が掛かりません。
 一方のデメリットとしては、3年の償却期間中に資産を滅失・譲渡した場合でも、未償却額残高を損金算入することができないことがあります。すなわち、減価償却を打ち切れないため、帳簿からその資産を取り除く処理ができません。

◆途中で売却や除却をしても償却期間は3年
 資産を売却したり除却した場合には、通常は、その資産の帳簿価額(=取得価額からそれまでの減価償却費を控除した残額)を売却原価もしくは除却損として計上します。しかしながら、一括償却資産としたものに対してこの処理をするのは間違いとなります。その資産がなくなったとしても会社の帳簿上には未償却の残額が残り、あくまでも36か月(3年)かけて経費にすることになります。
 ただし、会社が解散して清算に入り、残余財産が確定した場合には、残余財産の確定の日の属する事業年度終了の時における一括償却資産の金額が事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することとなります。残余財産が確定するとその先はありませんから3年縛りは適用されません。

税務トピックス 2022月11月29日

フラット35の不正状態放置

 長期固定金利の住宅ローン「フラット35」で融資を受けながら自らが居住せずに第三者に賃貸するなどの不正利用が行われていた問題で、会計検査院は10月、フラット35を提供する独立行政法人住宅金融支援機構(以下「機構」)に対して問題発覚後も不適切な状態が放置されていたと指摘する調査結果を公表しました。本来の利用条件を逸脱した状態は計56件に上り、使われた税金は約19億円に達していました。

 「フラット35」は35年固定金利の住宅ローンで、民間金融機関の融資した住宅ローンを機構が譲り受ける仕組み。住宅購入希望者にとっては、長期間の変動金利のリスクに影響されないというメリットがあり、国にとってはマイホーム購入のハードルを下げることで新築市場の活性化が期待できるという狙いがあります。
 そうした制度目的を踏まえ、フラット35はマイホーム目的であることと自己居住が条件ですが、近年になって投資用のマンションにフラット35を適用する不正が問題となっていました。

 検査院は今回、過去に不適正な事例が発覚した大都市にある中古マンションの購入用などの融資から計7100件を抽出して、居住実態などを調査。その結果、自らが居住せず第三者に賃貸していたケースが45件、住宅用から事務所や店舗などに用途変更されたケースが11件ありました。なかには融資当初から居住実態がないケースも5件あったそうです。
 具体的には、東京都港区の中古マンションを別荘として購入するとして約5千万円の融資を受けながら購入から約10カ月後に第三者に賃貸した例や、約3500万円の融資を受けた利用者が後に事務所として第三者に貸していた例などが確認されました。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2022月11月22日

《コラム》企業型DCの加入者がiDeCoを利用しやすくなった

◆企業でも自分でも積み立てできるように
 確定拠出年金は公的年金とは別に企業や個人で積みたてて運用する私的年金です。企業で加入するDC(企業型)と個人で加入するiDeCoは、今までは企業型に入っているとiDeCoに加入できませんでしたが、2022年10月から両方に加入できるようになりました。また、企業型DCに加入している方がiDeCoに加入するには企業の労使合意が必要でしたが、原則それなしで加入することができるようになりました。

◆掛け金額の上限があります
 iDeCoの掛け金は各月の企業型DCの事業主掛け金と合算して月額5.5万円、さらに企業型DCだけ加入しているときはiDeCoの拠出限度額の上限は2万円です。
 企業型DCと確定給付型の他制度も加入しているときは合算してDC掛金は月額2.75万円、iDeCoの拠出限度額は1.2万円を超えることはできません。
 例えば企業型DCのみ加入で企業型DCの事業主掛け金が3万円であった場合、月額5.5万円-3万円=2.5万円(iDeCo拠出限度額は2万円まで)となります。
 また、以下の2点が要件になります。
①掛け金(企業型DCの事業主掛け金・iDeCo)が各月拠出であること
②企業型DCのマッチング拠出(加入者本人から掛金徴収)を利用していないこと

◆5月から年齢要件が拡大されています
 2022年5月からは企業型DC もiDeCoも加入可能年齢が引き上げられています。
 企業型DCは厚生年金被保険者(原則70歳未満)であれば企業型DCの加入者とすることができます。企業は労使で一定年齢未満の加入を定めることはできますが、60歳より低い年齢にはできません。
 iDeCoにおいては会社員、公務員等(国民年金2号被保険者)自営業者、専業主婦(夫)等(国民年金3号被保険者)が加入者ですが60歳以上65歳未満で国民年金の第2号被保険者、任意加入者、海外居住で国民年金任意加入者も加入でき、引き続き加入するためには受付金融機関に手続きが必要です。
 企業型もiDeCoも老齢給付金の受給開始年齢は60歳から75歳までの間で選択できます。

税務トピックス 2022月11月22日

副業通達を大幅見直し

 コロナ禍で増えたサラリーマンの副業を巡り、国税庁はかねてより公表していた「収入300万円以下を原則雑所得とする」との通達改正案を撤回し、帳簿書類の保存を条件とする新たな見直し案を公表しました。通達案は副業で赤字を作って給与所得を減らす節税スキームを規制する目的で作られていましたが、基準の根拠が不明瞭であるなど反対意見も多く、7千件を超えるパブリックコメントが寄せられていました。

 10種類ある税制上の所得区分のうち、サラリーマンが行うような副業は主に「雑所得」となりますが、継続性や規模によっては「事業所得」となります。雑所得であれば、他の所得との損益通算ができません。一方、事業所得と認められれば、他の種類の所得で出した損益を通算することが可能。そのため、副業の事業所得で経費を多く計上してあえて赤字を出すことで、給与所得と通算して税額を減らすケースが散見していました。

 国税庁がパブコメとして公表した案は、副業収入が300万円を超えないかぎり、原則として雑所得として扱うというものでした。反証があれば事業所得と認める可能性も残していましたが、パブコメでは「実態を見て判断すべきであり、形式的な基準を設けるべきではない」、「300万円という基準の根拠が不明である」など反対する声が相次いでいました。

 これを受け、10月に公表されたパブコメの結果報告では、300万円の形式基準が全面的に廃止されています。それに代わり、事業所得かどうかは実態で判断するとの前提を置いた上で、「その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合には、雑所得に該当する」と記載し、事業所得として認められる条件として「帳簿書類の保存」を設けました。

 国税庁はこの根拠として、「一般に帳簿書類の保存がある場合には、営利性や有償性、継続性や反復性、自己の危険と計算における企画遂行性があると考えられる」とした上で、「所得税法上、事業所得者には、帳簿書類の保存が義務づけられている点に鑑み、帳簿書類の保存の有無で所得区分を判定することとし、通達を別添のとおり修正」したと見直しの理由を説明しています。

<情報提供:エヌピー通信社>

お問い合わせCONTACT

お気軽にご連絡ください。初回のご相談は無料です。

確定申告・相続税対策、起業・経営支援まで
大森駅より徒歩3分 品川区・大田区で税理士をお探しの方へ

〒140-0013 東京都品川区南大井6丁目26番1号 大森ベルポートA館9階
JR京浜東北・根岸線快速「大森駅」北口より徒歩3分/京浜急行線「大森海岸駅」より徒歩4分

03-5471-0751平日10:00~17:00 無料相談窓口