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コラム 2026月02月24日
◆特定生産性向上設備等投資促進税制の創設
危機管理投資・成長投資による「強い経済」実現のため、国内で高付加価値化型の設備(特定生産性向上設備等)に大胆な投資を促す税制が創設されます。
国の確認を受けた日から5年経過日までに取得価額の合計額35億円以上(中小企業者等は5億円以上)およびROI(投資利益率) 15%以上の設備投資を行う法人は、投資額100%の即時償却または取得価額の7%(建物、附属設備、構築物は4%)の税額控除(法人税額の20%を上限)を選択できます。一定の要件を満たす場合には、控除限度超過額は3年間の繰越しができます。
◆試験研究に係る税額控除制度の創設
研究開発税制に新たな制度が設けられます。産業技術力強化法の重点研究開発計画の認定を受けた法人が5年以内に重点産業技術(AI・先端ロボット、量子、半導体・通信、バイオ・ヘルスケア、フュージョンエネルギー、宇宙)に係る試験研究を行った場合には、試験研究費の額の40%(特別重点産業技術試験研究費については50%)の税額控除(法人税額の10%を上限)を受けます。試験研究費の額が前期を上回る場合は、控除限度超過額は3年間、繰越しできます。
◆オープンイノベーション促進税制は拡充
オープンイノベーション税制は、M&A型の拡充等を行ったうえで2年延長します。M&A型はスタートアップの発行済株式の50%超(上限200億円)を取得した法人が株式取得価額の25%以下の金額を所得控除できる制度です。令和8年度改正では、3年以内に出資割合50%超となる見込みの場合においても、株式取得価額の20%以下の金額を所得控除できるようになります。
◆賃上げ促進税制は大企業向けを廃止
賃上げ促進税制は、賃上げが順調に進む大企業向けを適用期限を待たずに令和8年3月31日をもって廃止。中堅企業向けは、より高い賃上げを促す下記の要件を強化したうえで令和9年3月31日をもって廃止します。
① 税額控除率10%の適用要件:給与支給額の増加率4%以上(現行3%以上)
② 継続雇用者の税額控除率の加算措置:給与支給額の増加率5%以上で5%加算、増加率6%以上の場合は15%加算
中小企業向けは、防衛的賃上げに取り組む企業に配慮し、現行制度を維持します。
なお、教育訓練費を増加させた場合の上乗せ措置は廃止されます。
税務トピックス 2026月02月24日
農業の「担い手」による農地集積率を高めることで生産性の向上を図るとともに、耕作放棄地となることを防ぐ目的で創設された農地中間管理機構(農地バンク)。所有する農地を機構に貸し付けると相続税・贈与税の一部が納税猶予され、一定期間の固定資産税も半額に軽減されることから、農家とその相続人による制度の利用が増加しています。しかし、この制度の運用を誤り、固定資産税を軽減しないまま農地の所有者から過大に徴収するミスが、全国の自治体で次々に発覚しています。相続した農地を機構に貸し付けている所有者は、念のため固定資産税額を再確認する必要があるでしょう。
京都府亀岡市では、農地所有者518人に対して固定資産税の軽減措置を適用しませんでした。昨年6月5日、市の農業委員会が発表しました。同委員会によると、京都府の農地中間管理機構に農地を長期で貸し付けた場合、固定資産税の課税標準額を半額とする減税措置があるにもかかわらず、事務局職員が対象の農地所有者を誤認して、市の税務課に正しい情報を伝達していなかったといいます。2025年度分の過大課税が大半で、504人分の187万円に上りました。市からの納税通知書を受け取った農地所有者から指摘されて誤りが発覚し、過去にさかのぼって調査しました。
農林水産省では亀岡市の過大徴収事案を重くみて、昨年6月の時点で全国の自治体に対して確認を要請しました。点検の結果、9月中旬までに13道府県の18市町村で過大徴収が判明。各地の農業委員会が自治体の税務担当部署に優遇対象者の報告を怠っていたことが主な要因とみられています。
地方税法では、固定資産税を過大に徴収されたことが判明した場合、直近5年分しか還付を請求できないと定められています。農業人口の減少に伴い、農地の集約化・大規模化が急務となっていますが、優遇税制が正しく適用されなければ政策推進の妨げともなりかねず、制度運用の徹底が求められます。
<情報提供:エヌピー通信社>
税務トピックス 2026月02月17日
国税庁が公表した2024事務年度(24年7月~25年6月)の「所得税及び消費税調査等の状況」には、具体的な不正の事例が紹介されています。これは、国税当局が類似の不正に目を光らせているという〝警告〟でもあります。
国税当局は譲渡所得のみを申告していたAについて、国外送金等調書で国外からの送金が多額に上り、外国の金融機関口座を持っていることが見込まれたことから、調査を開始しました。Aは過去に国外の企業に勤務していて、その国に居住用不動産を購入していたと説明したため、当局が使用状況を確認したところ、管理会社を通じてこの不動産の貸付けによる賃料を得ていたことを当局は把握。また、別の外国で開設した金融機関口座で投資信託の運用収益や預金の利子を受け取っていたこともわかりました。
またBは、高額なトレカの販売で収入を得ていると想定されたものの、所得税の申告がなかったため、国税当局が調査対象に選びました。調査の結果、Bの自宅から大量のトレカや多額の現金を発見。Bは販売利益があったことを認めたものの、領収書などの記録や収支計算書類の保存については曖昧な回答でした。国税当局がパソコンなどのデータを確認したところ、販売したトレカ情報を付けた請求金額データを顧客ごとに集計してメールを送信していたことを把握しました。さらに追及し、利益を隠すために調査前に収支計算書類を破棄していたことを突き止めました。
複数店舗を展開するキャバクラ店の実質的な経営者と想定されるCが申告していなかったため、国税当局が調査したという事例もあります。Cや従業員に質問調査などを行ったところ、営業許可申請や取引決済を従業員名義で行っていたものの、売上の管理や経営方針の決定などはCが行っていたため、Cが実質的な経営権を持っていると判断。Cを追及したところ、申告していなかったことを認めたため、店の営業に関係する事業所得に課税したほか、事業に関係する消費税、コンパニオンに支払った報酬の源泉所得税を課しました。
<情報提供:エヌピー通信社>
コラム 2026月02月17日
◆離職予測分析とは
従業員の離職可能性をデータに基づいて予測する分析手法です。勤怠データや人事評価などを活用し、統計分析やAIモデルによって離職リスクの高い従業員を早期に特定し、適切な対策を実施することを目的にしています。
分析の成否はデータの質と量に大きく左右されます。例えば勤怠データでは出退勤時間だけでなく、残業時間の推移、遅刻、早退の頻度等これらのパターン変化は離職の前兆となることが多いからです。元々残業をいとわなかった従業員が急に定時退社するようになったり、有給の申請が急増したりなどは離職リスクの前兆とも考えられます。しかし各々の会社の文化や、制度変更で生じる場合もあります。
他の観点では従業員満足度調査やエンゲージメント調査によって仕事への満足度、上司との関係性、キャリア展望を測定します。退職者面談のデータは離職要因にとって重要であり、在職中の面談データと合わせた分析が必要です。
◆継続的にメンテナンスする
精度の高い予測には労働環境や従業員の価値観の変化に応じたデータ項目、収集範囲の拡張、データ形式の標準化等データの品質保持のための定期的なメンテナンスが必要です。ほかの人事制度と同様に一度作成しても、状況は変化してゆくので継続的な分析が必要です。また、プライバシー保護や利用目的の制限にも配慮しましょう。
◆離職防止にAIを使うメリット・デメリット
AIを活用することで膨大なデータを素早く分析し離職リスクや退職者傾向を評価でき、人間同士のコミュニケーションと比べて客観的な評価が可能になります。
・多面的な分析によって離職の予兆を把握
・公正で客観的な判断、安定したデータ
・過去データにより離職者の傾向を掴める
・離職を防止するための施策も提案する
一方デメリット、注意点としては
・AIによる評価が従業員の反発を招く可能性もある
・AIの分析には限りがあり、人間による判断も必要である。個別のニーズや柔軟な対応が求められる場合もある。
税務トピックス 2026月02月11日
相続税の税務調査による追徴税額が過去最高となったことがわかりました。実地調査に加えて、書面・電話での連絡や来署依頼にもとづき納税者と接触を図る「簡易な接触」がコロナ禍前の2倍に増え、追徴税額の増加につながったとみられます。相続税は申告件数に対して実地調査に至る割合がほかの税目と比べて高いため、準備不足が思わぬ税負担の増加につながる可能性があります。国税当局が常に不正に目を光らせていることからも、相続税調査の最新の傾向を確認しておきたいところです。
国税庁がこのほど発表した2024事務年度(24年7月~25年6月)の「相続税の調査等の状況」によると、相続税の本税・加算税を合わせた追徴税額は、実地調査が前年度比12.2%増の824億円、簡易な接触が同13%増の138億円で合計962億円となり、簡易な接触の事績の公表を始めた16年度以降で最高となりました。実地調査の申告漏れ課税価格は同7.2%増の2942億円、1件当たりの申告漏れ課税価格は同3.6%減の3093万円、その追徴税額は同0.9%増の867万円でした。
実地調査件数は9512件で、前年度の8556件から11.2%増えたものの、コロナ禍前の18年度の1万2463件と比べると31%少ない状況です。一方、簡易な接触は同1万8781件より17%増えた2万1969件で過去最高となりました。1万332件だった18年度と比較すると2.1倍となります。18年度当時は実地調査の件数が簡易な接触の件数を上回っていましたが、今では完全に逆転し、調査手法が様変わりしている実態がみてとれます。
簡易な接触は、税務調査の〝効率化〟を図る国税当局の姿勢を象徴的に示す調査手法といえるでしょう。申告が必要と思われる納税者や計算誤りなどがあるとみられる納税者に対して行われています。国税当局が納税者との直接的な接触を避けていたコロナ禍に、実地調査の減少分の穴埋め策として簡易な接触は多用されてきました。ですが、いまだに件数が減少するどころか、むしろ増加しています。
<情報提供:エヌピー通信社>
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