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その他 2026月06月2日

【時事解説】中小企業における組織運営の透明化 その2

 では、中小企業における組織運営の透明化の取組みは具体的にどのように行われているのでしょうか。そこで中小企業庁編「中小企業白書2025年版」において、従業員を主役としたミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の策定や人事制度改革などを通して組織活性化を実現した企業の事例として紹介された側島製罐株式会社(本社:愛知県海部郡大治町)の取組みについてみていきましょう。

 側島製罐株式会社は、1906年創業の製缶会社で、小ロット・短納期で製造する強みを持っています。
 同社の現代表は2020年に金融機関を退職し、家業に入社したときから実質的に経営者となりました。同社は2000年以降減収が続き、現代表が入社した2020年12月期には過去最低の売上高の状態にありました。現代表は社員間の雰囲気が悪く組織として機能していなかったこと、よりどころとなる経営理念がないことに強い問題意識を抱いていました。

 そこで組織改革の原点とすべく、全社員を巻き込んで、自身が働く意味、同社の存在意義・価値を定義するMVV策定に着手しました。現代表自身の役割は取りまとめと言語化にとどめ、策定のオーナーシップは社員に任せる形とし、約1年を掛けて作り上げました。その後、現代表は全員が経営を自分事と捉える自律型組織の構築に取り組みました。組織づくりにおいては、社長を含む役職、評価などは全て撤廃したほか、各自がやるべきミッションを自ら考え、報酬を宣言・決定する自己申告報酬制度も導入しました。

 MVVの策定以降、売上高は2020年12月期を底に20年ぶりに増収に転じ、その後は3年連続増収を達成しました。
このように 従業員を主役としたMVVの策定等など通して、企業の成長を実現することが可能となるのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

その他 2026月06月2日

【時事解説】中小企業における組織運営の透明化 その1

 経営計画プロセスにおいては、従業員に経営理念・ビジョンを共有することや、経営計画の内容や進捗を全社に周知徹底することが重要となります。
 「中小企業白書2025年版」では、従業員に対する情報開示や業務の脱属人化、経営状態を可視化できる経営管理を「透明性」と定義し、アンケート調査に基づき組織運営の透明性に向けた取組状況と取組効果について分析しています。

 まず「従業員への経営理念・ビジョンの共有」、「従業員への業績・財務内容・議事録など経営情報の共有」、「業務の属人化・ブラックボックス化の防止」のそれぞれについて「取り組んでいる」と回答した割合は、「従業員への経営理念・ビジョンの共有」が70.2%「従業員への業績・財務内容・議事録など経営情報の共有」が57.0%、「業務の属人化・ブラックボックス化の防止」が51.5%となっています。

 次に「従業員への経営理念・ビジョンの共有」、「従業員への業績・財務内容・議事録など経営情報の共有」への取組状況別に人材の定着率をみると、いずれの取組みについても「取り組んでいる」事業者のほうが、定着率が高い傾向にあることが分かります。

 さらに「従業員への経営理念・ビジョンの共有」、「従業員への業績・財務内容・議事録など経営情報の共有」、「業務の属人化・ブラックボックス化の防止」への取組状況別に付加価値額の変化率(中央値)についてみると、いずれの取組みについても、「取り組んでいる」事業者のほうが付加価値額の増加率が高いことが分かります。

 このように従業員への経営理念・ビジョンや業績・財務内容等の共有は、従業員の主体性の醸成につながり、業績の向上や人材の定着に資する可能性が示唆されているのです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

税務トピックス 2026月05月26日

非上場株、評価ルール見直しへ

 国税庁はこのほど、「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」の初会合を開きました。この有識者会議は、会計検査院から指摘を受けたことを踏まえて設置されたもの。取引相場のない株式の相続税評価について、相続税法の時価主義のもとで適正な評価制度のあり方を検討するとしています。抜本的に見直されることになれば、現行の評価ルールを定めた1964年以来の大幅な改正。有識者会議では2027年度税制改正大綱に反映させることを目指して、議論を進めていくものとみられます。

 被相続人の財産は「時価」で評価することが相続税法で定められています。しかし、非上場株は取引相場がないため、国税庁では「財産評価基本通達」というルールを設けて評価額を算定しています。ただ、配当や決算期を調整したり、故意に「赤字化」したりするなどの手法で意図的に評価額を下げ、税負担を過度に軽減しているとみられるケースがあります。

 24年11月の会計検査院の検査報告では、①各評価方式の間で評価額に乖離が生じていること②類似業種比準価額を適用する割合が高い規模の大きな会社ほど株式の評価額が相対的に低く算定されること③配当還元方式の還元率が近年の金利の水準と比べて相対的に高い率となっているおそれがあること――などが示され、評価制度のあり方について「異なる規模の会社間での公平性や社会経済の変化を考慮し、より適切なものとなるよう検討を行っていくことが肝要」と指摘されていました。会計検査院は、評価方式によって評価額に4倍の差が出るケースもあると指摘。「評価の公平性が必ずしも確保されているとはいえない」として、国税庁に見直しを求めていました。

 有識者会議では、非上場株の評価を適正にすることを念頭に議論される見通し。ただ、大規模非上場企業の株式評価額が上がる方向で議論が進めば、一部で相続税の負担が増す可能性もあります。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2026月05月26日

《コラム》少額減価償却資産の取得価額拡充で上限40万円未満へ!

◆制度の目的と背景
 中小企業者が事業に必要な少額の設備や備品を購入した際、その費用を購入年度に一括して経費計上できる「少額減価償却資産の特例」が令和8年度税制改正で拡充・延長され、令和8年4月1日以後の取得分から適用されます。本来、減価償却資産は耐用年数に応じて毎年少しずつ費用計上するのが原則です。しかし、それでは資産管理の事務処理が煩雑になります。本特例は中小企業の事務負担を軽減し、積極的な設備投資を後押しするために設けられたものです。約66万社が活用しており、令和5年度の適用総額は3,728億円に上ります。

◆今回の改正ポイント
 改正前は取得価額「30万円未満」の資産が対象でしたが、今回の改正で「40万円未満」へと上限額が引き上げられました。これにより、これまで対象外だった30万円から40万円未満の設備・ソフトウェア等も一括損金算入が可能となります。適用上限は年間合計300万円で、この点は改正前と変わりません。適用期限は令和10年度末(令和11年3月31日)まで3年間延長されます。なお、貸付けの用に供した資産(主要な事業として行われるものを除く)は引き続き対象外となりますのでご注意ください。

◆対象企業と要件の確認
 この特例を利用できるのは青色申告書を提出する「中小企業者等」に該当する法人です(個人も青色中小事業者であれば利用可)。資本金額または出資金額が1億円以下の法人が基本となりますが、大法人の子会社等や通算法人、保険業法に規定する相互会社、投資法人、特定目的会社、適用除外事業者(過去3年間の平均所得金額が15億円を超える事業者)は対象外です。従業員数は中小企業者で400名以下、出資金等が1億円超の組合等では300名以下が要件となります。自社が確実に対象に該当するかは、税理士に確認のうえで購入の検討をお願いします。

◆経営者がいま行うべき行動
 単価30万円以上40万円未満の備品・ソフトウェア・工具等の購入を検討している場合、一括費用計上が可能となりますから、年間合計300万円枠の管理と購入タイミングを確認し、投資計画の見直しに着手してください。税務申告の際には適用漏れのないよう、顧問税理士との早めの打ち合わせをお勧めします。

税務トピックス 2026月05月19日

公示地価が5年連続プラス

 国土交通省が今年1月1日時点の「公示地価」を発表しました。住宅地や商業地などを合わせた地価全体の全国平均は前年から2.8%上昇し、2022年から5年連続でプラスとなっています。公示地価は土地の取引価格の目安となるほか、固定資産税路線価の算定や公共事業用地買収時の取得価格の算定などで基準として利用されます。

 住宅地、商業地、工業地を含む全用途の地価の全国平均は2.8%上昇し、前年の上昇率2.7%を上回りました。東京圏は5.7%、大阪圏は3.8%上昇。名古屋圏を含む3大都市圏では4.6%上昇しています。地方中枢4都市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)も4.5%上昇。ただ、名古屋圏と地方中枢4都市は前年に続き上昇率が縮小しています。

 用途別にみると、住宅地の上昇率は前年と同様の2.1%。3大都市圏と地方中枢4都市ではともに3.5%上昇しました。最も伸びた地点はリゾート需要が高い長野県白馬村で、上昇率は33.0%。住宅地は31都道府県(前年30都道府県)で上昇しました。

 商業地の上昇率の全国平均は4.3%で、3大都市圏が7.8%、地方中枢4都市が6.4%。なかでも上昇率が高かった地点は、次世代半導体の量産化を目指す「ラピダス」の工場建設が進む北海道千歳市で、44.1%の上昇を示しました。商業地は38都道府県(前年34都道府県)で上昇しています。

 最高価額は住宅地、商業地ともに昨年と同地点。住宅地は「港区赤坂1丁目」が9年連続のトップで、1㎡当たりの価額は711万円(前年590万円)。商業地は「中央区銀座4丁目(山野楽器銀座本店)」が20年連続のトップで、1㎡当たりの価額は6710万円(同6050万円)でした。

<情報提供:エヌピー通信社>

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