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税務トピックス 2026月09月1日

リフォーム促進税制7割超が利用せず

 国土交通省はこのほど、2025年度の「住宅市場動向調査」の結果を取りまとめ公表しました。今回の調査から「リフォーム促進税制」についても新たに調査。個人の住宅建設に関して影響を受けたことや資金調達方法などについての実態を把握し、今後の住宅政策の企画立案の基礎資料とすることを目的に01年度から毎年度実施しています。住み替え、建て替え、リフォームを行った世帯を対象として、注文住宅、既存(中古)住宅、分譲住宅、民間賃貸住宅、リフォーム住宅の種類別に調査を実施しました。

 それによると、中古住宅取得後にリフォームを行った世帯のうち、リフォーム促進税制の適用を「受けた」もしくは「受ける予定である」と回答した世帯の割合は、中古戸建住宅取得世帯で14.7%、中古集合住宅取得世帯で12.2%でした。リフォーム実施世帯のうち、リフォーム促進税制の適用を「受けた」もしくは「受ける予定である」と回答した世帯の割合は4.3%にとどまっています。

 リフォーム促進税制は、一定の省エネ・バリアフリー・耐震などのリフォームを行った場合に、所得税の控除や固定資産税の減額が受けられる制度。対象工事の内容や控除額は、工事の種類・費用・工事完了日(居住開始日)などで細かく条件が決まっています。控除の申請には増改築等工事証明書、補助金交付を受けた場合はその額がわかる書類(交付決定通知など)、工事請負契約書、工事費内訳書、改修箇所の写真・工事の内容や費用がわかる書類など、用意しておくべき書類が多岐にわたるうえ手続きが煩雑なことから、リフォーム促進税制の適用を「受けていない」と回答した世帯の割合は、中古戸建住宅取得世帯で74.1%、中古集合住宅取得世帯で78.0%、リフォーム実施住宅では85.8%となっています。

 住宅購入資金とリフォーム資金の平均値は、注文住宅が7646万円で、分譲集合住宅が6443万円、分譲戸建住宅が5099万円、中古集合住宅が3321万円、中古戸建住宅が2966万円、リフォーム住宅が170万円となっています。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2026月09月1日

《コラム》AI導入が失敗する共通点

◆4割の会社が「入れたのに使えない」
 独立行政法人中小企業基盤整備機構の調査によると、AIを全社的に導入済みの企業でも「従業員による活用が進まない」と答えた割合が40.4%にのぼっています。ITの同項目(約28%)を大きく上回るこの数字は、「AIを契約すれば生産性が上がる」という期待が現実と乖離していることを示しています。
 AIはITと異なり、使い手のプロンプト(指示文)の質によって出力結果が大きく変わる特性を持ちます。社内でプロンプト教育や使い方研修を行わずにツールだけを導入しても、成果は生まれません。「ツールの契約」と「AIの活用」はまったく別物であることを、まず経営者自身がしっかりと理解しておく必要があります。

◆コストの罠は導入後に現れる
 導入前から気をつけたい落とし穴が「ランニングコスト」です。AI導入後の最大の運用課題として44.0%の企業が「ランニングコストが高い」を挙げています。初期費用だけに目が向きがちですが、月次・年次の継続費用を事前に試算しておかないと「思ったよりお金がかかる」という事態になります。導入を決める前に、必ず1年間の総コストをシミュレーションしてください。

◆セキュリティ不安の正体
 セキュリティへの不安も見逃せません。AI導入にあたり懸念を持つ企業は75.2%にのぼり、ハルシネーション(もっともらしい虚偽情報の生成)や機密情報の漏洩リスクへの不安が自由回答で多く挙げられました。対策として最低限、①入力情報の学習設定オフ、②社外秘・個人情報の入力禁止ルールの策定、③利用ルールの社内周知の3点を導入前に必ず整備してください。このような事前準備こそが、導入後の混乱を防ぐ最大の保険になります。

◆失敗を避けるための3つの準備
 失敗を避けるためにまず取り組むべきことは、「どの業務に使うかを一つだけ決める」ことです。全社展開を焦らず、まず一つの業務で小さな成功体験をつくることが定着への近道です。社内ガイドラインと簡単な使い方研修をセットで準備したうえで導入に踏み出しましょう。一歩ずつ着実に積み上げることが、AI活用を組織に根づかせる唯一の方法です。

その他 2026月08月25日

(前編)租税特別措置・補助金・基金の適正化に向けた提案募集の結果を公表

 政府は、ホームページにおいて、租税特別措置(以下、租特)・補助金・基金の適正化に向けた提案募集の結果を公表しております。
 それによりますと、総計3万7,174件の提案・意見のうち、租特に関する提案が全体の30%、補助金・基金が70%を占めました。

 租特の内訳を見てみますと、国税に関するものが17%、地方税が3%、国税・地方税の別不明が10%となりました。
 国税の税目別では、消費税が26%で最多、次いで、「その他」22%、「所得税」18%と続きました。

 租特に関する主な提案・意見として、総論では下記が挙がっておりました。
①期限到来時には延長ありきではなく、効果検証の上、ゼロベースで見直すことを徹底すべき
②適用を受ける者(業種・企業規模)や適用額等の分布の実態を明らかにすべき
③租税特別措置等が企業・個人の行動変容に結びついているか等、実態に基づき、政策効果を定量的に検証すべき
④検証を踏まえ、政策効果や費用対効果を分かりやすく公開し、政策の透明性等を高めるべき
⑤定量的な効果検証のため、具体的なKPIが設定されていない場合には設定すべき

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、令和8年7月6日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

その他 2026月08月25日

(後編)租税特別措置・補助金・基金の適正化に向けた提案募集の結果を公表

(前編からのつづき)

 所得税全般の租税特別措置では、高所得者や一部の業種への優遇となっているため公平性の観点から見直すべき、政策効果が政策目的から逸脱している措置は縮減・廃止すべきといった縮減提案がある一方、制度趣旨を一層後押しするために、対象を拡大すべきといった拡充提案がありました。
 具体的には、非課税口座内の少額上場株式等に係る譲渡所得等の非課税(NISA)では、高所得者に恩恵が集中しているとの縮減提案がある一方で、家計の長期資産形成を後押しするため、非課税枠を拡充すべきとの拡充提案がありました。

 社会保険診療報酬の所得計算の特例では、概算経費率が実額と乖離しうるため、費用実態に基づく係数更新や合算上限を設定すべきとの縮減提案がある一方で、地域医療と受診機会確保のため、措置を継続・拡充すべきとの拡充提案がありました。

 また、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)では、高所得者に恩恵が偏っていることから所得制限のさらなる厳格化を求めるとの縮減提案がある一方で、昨今の金利上昇、住宅価格の高騰を踏まえ、上限額、控除率を引き上げるべきとの拡充提案がありました。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、令和8年7月6日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

コラム 2026月08月18日

《コラム》相続時精算課税贈与で家族会議

◆実質は相続税の前払い
 相続時精算課税制度では、贈与者が亡くなると先に贈与した財産の価額を相続財産の価額に加算して相続税額を計算します。既に納付済の贈与税額は相続税額から控除され、贈与税額の方が大きいときは差額が還付されます。贈与ではあるものの、相続税額の計算で納税額を計算し直すため、実質は相続税の前払いといえます。

◆メリット1.少ない税負担で財産移転
 相続時精算課税贈与では贈与財産の価額から特別控除として2,500万円が控除され、その年に控除しきれなかった残額は、次年度以降の贈与まで持ち越されます。贈与税は控除後の残額に対し、一律20%と低率のため、贈与時の税負担は少なく、不動産や金融資産などまとまった金額の財産を早期に移転することができます。
 さらに、令和6年1月1日以後の相続時精算課税贈与には基礎控除110万円が設けられ、特別控除2,500万円の前に基礎控除が控除されるようになりました。その年の贈与額が110万円以下であれば、贈与税を申告する必要もなく、また、基礎控除110万円までの贈与部分は相続財産の価額に加算されないので負担が軽減されています。

◆メリット2.家族で相談する機会ができる
 相続の備えは子どもからは言い出しにくいものです。相続時精算課税贈与は、将来の相続で精算が行われるため、贈与の検討をきっかけに家族で財産の利用方法について話す場をつくることができます。親は財産移転について自分の思いを伝え、配偶者や子どもたちも自身の生活スタイルを想定して話すことができます。家族で早期に相続人の人生設計に応じた計画を立てることが可能となり、それぞれが納得できる道筋を見つけることにもつながります。

◆他にもあるメリット
 相続税の申告では贈与時の価額で評価されるので、土地や株式などの資産の価格が上昇する市場環境のもとでは税負担が少なくなります。また、地震や津波など災害で贈与を受けた財産が被害を受けたときは、相続時の評価額が減額されます。

◆小規模宅地の特例は適用不可
 なお、小規模宅地の特例は相続または遺贈で取得した不動産に適用され、贈与を原因とする相続時精算課税には適用されません。相続時精算課税は一度選択すると撤回できないので、相続財産に不動産があるときは、事前の検討が必要となります。

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