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税務トピックス 2026月10月13日
国税庁は、税務行政の実務でどのようにAIを使用しているのかを取りまとめたレポート「国税庁におけるAIの活用」を公表しました。
「予測AI」については「既知のデータを基にした、将来の数値や状態に関する未知の事象の予測、機械学習、ロジカルな作業に強み」があることから、「申告漏れの可能性が高い納税者の判定等に活用」しているといいます。
「生成AI」については、「新しいコンテンツ(文書・画像など)の生成、会話機能などに強み」があると評価したうえで、「職員の業務効率化や課税・徴収事務の効率化・高度化、納税者サービスの向上を積極的・計画的に推進するほか、生成AIの業務利用に関する職員全体の意識・スキルの底上げ」を図っていくとしています。また、「取り組みに当たっては、セキュリティやハルシネーションなどのリスク」に十分な注意を払っていくとしています。
「課税・徴収事務の効率化・高度化に向けたAIの活用」の例としては、「AIやデータ分析を最大限に活用し、申告漏れの把握や調査の高度化」に取り組んでいるとしています。国税庁が保有する膨大なデータを「予測AIによって分析し、各税目等に関して申告漏れのリスクを判定してスコア化する予測モデル」を構築。予測モデルの判定結果に加え「申告書や保有する各種資料情報等を併せて分析・検討し、職員が調査の要否や優先度を最終的に判断した上で、調査必要度の高い納税者に対しては深度ある調査を実施」「予測モデルの判定結果は全国すべての国税局・税務署で活用」しているといいます。
国税庁では申告漏れのリスク判定以外にも、「多様な観点に特化した様々な予測モデル」を構築しており、例えば「所得税申告の不正還付リスク判定や法人の不正申告のパターン判定など、いくつかの予測モデルの判定結果を全国の国税局・税務署で活用」しているそうです。
<情報提供:エヌピー通信社>
税務トピックス 2026月10月13日
政府税制調査会は7回目となる「税制のEBPMに関する専門家会合」を開き、租税特別措置(租特)の適用実態や中小企業税制の効果について、関係省庁から提出された検証報告書をもとに意見交換しました。
EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)は、エビデンスに基づく政策立案のこと。内閣府ではこれを「政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで合理的根拠(エビデンス)に基づくもの」と定義しています。
会合では、「租税特別措置の適用実態調査の結果」について財務省が報告したほか、中小企業庁が「中小企業税制の効果」を示しました。中企庁が提出した資料によると、「中小企業向け賃上げ促進税制」の適用件数は、2024年度実績で27万5014件。同税制による減収額は3330億円だったそうです。これに対し財務省側は、政策効果がないとする分析結果を新たに提示しました。
「中小企業向け賃上げ促進税制」は、前年度より給与支給額を1.5%または2.5%以上増加させた場合、その増加額のそれぞれ15%または30%を税額控除できる制度。また、一定の基準を満たせば税額控除率が5%上乗せされます。賃上げを実施した年度に控除しきれなかった分については5年間の繰越しが可能となっています。
財務省がこの「賃上げ促進税制」の適用を受けた企業の賃上げ率を分析したところ、大多数ですでに2.5%を上回っていたそうです。人手不足などを背景に中小企業でも賃上げが実施されているとして、このまま税制優遇を続けていく政策的な意味が薄れていると指摘。すでに大企業向けの賃上げ促進税制は今年3月末で廃止されている点も強調しました。
この日の会合に出席した専門家からも効果を疑問視する意見が相次ぎました。中小企業向けの賃上げ促進税制は26年度末に期限を迎えます。24年度の減収実績から試算すると、廃止すれば年間約3千億円の財源を捻出できるものとみられます。一方、経済産業省は27年度税制改正要望で同税制の延長・拡充を求めています。
<情報提供:エヌピー通信社>
コラム 2026月10月6日
◆差別化を意識する企業ほど付加価値が高い
2026年版中小企業白書が付加価値を高める経営戦略について興味深いデータを示しています。「差別化を重視している」事業者は「重視していない」事業者と比べて付加価値額の伸びが高く、さらに差別化と外部環境(顧客ニーズ・市場動向等)の両方を意識している事業者は、どちらも意識していない事業者と最も大きな差がついています。
付加価値を高められるかどうかは、経営者が「どう差別化するか」を真剣に考えているかどうかと、深く関係していることが分かりました。
◆価格で差別化しようとしていないか
では、どのような差別化が有効なのでしょうか。白書によると、製造業・非製造業ともに差別化で最も重視されているのは「品質の高さ」であり、次いで「顧客対応の柔軟性」「独自の技術・ノウハウ」と続きます。注目すべきは「価格競争力」が上位に入っていないことです。
価格を下げる方向での差別化は、付加価値そのものを削る行為にほかなりません。「安くする」のではなく「品質を上げる・顧客対応を丁寧にする・独自技術を磨く」という方向こそが、中長期的な稼ぐ力に直結するということを、このデータは明確に示しています。
◆経営計画を策定する企業は約4割
一方、経営計画については、「策定している」事業者は約4割にとどまり、過半数は策定していないことが明らかになりました。策定している事業者は付加価値の伸びが高い傾向にありますが、それ以上に重要なのが「浸透度」です。経営計画が現場担当者まで届いている事業者は、役員止まり・経営者のみという事業者と比べて、付加価値の伸びが明確に高いことが確認されています。
◆計画は現場に届いてはじめて機能する
経営計画は「作ること」がゴールではありません。経営層が直接説明し、現場に資料を配布し、進捗を定期的に確認・見直すPDCAを回して初めて機能します。まず自社の差別化の軸を一言で表現できるかどうか、確認してみてください。言えなければ、そこが今期取り組むべき最初の経営課題です。差別化の言語化と、計画の全社浸透。この2つが、稼ぐ力の土台になります。
コラム 2026月10月6日
◆経営判断の根拠をデータで示す
中小企業の経営者から「新しいエリアへの出店を考えているが、どの地域に顧客がいるかわからない」「競合が増えてきたが、自社の商圏に何人の見込み客がいるのか把握できていない」といったご相談を受けることが増えています。感覚や経験に基づく経営判断は大切ですが、金融機関や補助金審査において説得力のある計画を示すためには、客観的なデータの裏づけが不可欠な時代になっています。
◆無料で使える国の分析ツールがある
こうした課題の解決策として、ぜひ活用いただきたいのが「RESAS(リーサス)」です。RESASは経済産業省と内閣官房が2015年から提供している地域経済分析システムで、登録不要・完全無料で利用が可能です。地域の人口構成・産業構造といった官民のビッグデータを、視覚的に確認できるツールです。2026年6月に大幅なアップデートが行われ、①市区町村単位の人数・滞在時間・消費額を把握できる「クレジットカード消費地分析・消費額分析」、②地域の経済環境を12ページのレポートで自動出力できる「地域経済総合分析」、③観光地分析カテゴリの拡充といった新機能が追加されました。
◆12ページのレポートが一発で出力できる
今回のアップデートで特に注目したいのは「地域経済総合分析」です。都道府県と市区町村を選ぶだけで、基幹産業の状況・生活関連産業の動向・小規模事業者の状況・将来人口・民間消費の流出入・観光客の動向など、12ページにわたるレポートを自動生成できます。自社の地域がどのような経済環境に置かれているかを把握できるため、新規事業の検討や事業計画の策定において強力な武器になります。補助金申請では「なぜこの地域でこの事業を展開するか」というマーケット根拠の提示に直結します。
◆一度アクセスしてみてください
RESASはhttps://resas.go.jpからアクセスできます。スマートフォンにも対応しており、登録は要らず費用はかかりません。最初は「地域経済総合分析」メニューで自社の地域を選択し、12ページのレポートを出力してみることをお勧めします。普段は感覚でとらえていた地域の経済環境が、データとして目に見える形になります。経営計画の見直しや金融機関への説明資料として活用できますので、一度お試しください。
コラム 2026月09月29日
◆暗号資産、どこで税金が発生するの?
ビットコインやイーサリアムといった暗号資産(仮想通貨)が、ずいぶん身近なものになってきました。「少し買ってみた」という方も増えてきたように思います。ただ、税金の面では意外と誤解が多いのもこの分野です。
まず基本から。暗号資産を売却・交換・支払に使って利益が出た場合、その利益は原則として「雑所得」として所得税の課税対象になります。別の暗号資産と交換した時点でも、商品の購入に使った時点でも、それぞれ課税が生じます。「円に換えていないから大丈夫」は通りません。
なお、令和8年度税制改正で、暗号資産については今後一定条件下で株や国内FXと同様の申告分離課税として扱われる事になりました。適用は「金融商品取引法の改正法の施行日の翌年1月1日以降」となっており、2028年1月からの見込みです。
◆取得費の計算、届出はしましたか?
暗号資産を複数回に分けて購入している場合、取得費の計算方法は「総平均法」と「移動平均法」の2種類から選べます。ただし、届出をしなければ自動的に「総平均法」が適用されます。一度選んだ方法を変更するには税務署長への承認申請が必要ですので、最初の年に「どちらにするか」を意識しておくと良いでしょう。
◆NFTの税金は「どう取引したか」で変わる
NFT(非代替性トークン)は、デジタルの世界で「一点もの(=複製できない)」であることを証明する仕組みです。どう取引したかによって税金の扱いが変わります。自分で制作して販売した場合(一次流通)は雑所得または事業所得、購入したNFTを転売した場合(二次流通)は、原則として譲渡所得に該当し得ますが、営利目的で継続的に売買する場合などは雑所得または事業所得になります。
◆今は損失が出ても、繰り越せない
給与所得者で、給与以外の所得合計が20万円を超える場合は所得税の確定申告が必要です。暗号資産の損失は雑所得以外の他の所得との損益通算ができず、翌年への繰越控除も認められていません。NFTは所得区分や保有目的によって取扱いが異なるため、損失が出た場合も個別確認が必要です。
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