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税務トピックス 2024月12月10日

税賠保険の最新事故事例

 日税連保険サービスはこのほど、「税理士職業賠償責任保険(税賠保険)事故事例」の最新版を公表しました。2023年7月から24年6月までの特徴的な税賠事故が対象で、保険金が支払われた22件と、支払われなかった4件が掲載されています。

 税賠保険は、税理士・税理士法人が「税理士の資格に基づいて行った業務」に起因して保険期間中に日本国内で損害賠償請求を受け、法律上の賠償責任を負担したことにより被る損害に対して保険金が支払われるもの。

 今回公表された掲載事例のうち支払い対象となった事故は主契約が18件、事前税務相談業務担保特約が4件。対象税目でみると、主契約では消費税が7件で最も多く、所得税が5件、法人税が3件、相続税、住民税、事業所税が各1件。事前税務相談業務担保特約では消費税、法人税、贈与税、法人事業税が各1件でした。

 保険金が支払われなかった事故の掲載は4件。このうち、そもそも税賠保険の対象ではなかった事例は、「中小企業倒産防止共済の掛金が前納できなかったことにより、過大納付法人税額が発生した事例」(法人税)。

 この事例は、多額の利益が出る見込みだった顧問先企業に対し、税理士が中小企業倒産防止共済の掛金240万円を前納して損金算入額を上積みする決算対策を提案したというもの。顧問先は了承したものの、前納期限が過ぎていたため、その分が法人税の過大納付になりました。損害賠償請求を受けた税理士は保険金の受け取りを申請しましたが、「共済の申し込み手続きは、税理士法に定める税理士の業務に当たらない」として主契約での支払対象にならないと判断されました。また、顧問先から利益圧縮について相談を受けていない中で、「『顧客の求めに応じて行うアドバイス』ではなく、『良かれと思って行ったアドバイス』」という観点から、事前税務相談業務担保特約の対象にもならないと却下されています。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2024月12月10日

訪日客の消費税3億4千万円見逃し

 海外からの渡航者らが日本国内で購入した免税品を、日本からの出国時に所持していない場合、税関で消費税が適切に課税されているかを会計検査院が調べたところ、成田・羽田空港の両税関支署で2022年度に合計約3億4千万円が課税漏れとなっていたことが分かりました。

 購入後には国外に持ち出すべき免税品を1億円超分、国内で購入したのに国外に持ち出さず、消費税も課税されなかった訪日客が9人いました。免税購入総額は約34億円で、本来納めるべき約3億4千万円の消費税を支払わないまま成田・羽田両空港から出国していました。検査院は財務省に改善を求めています。

 訪日客らが免税購入した商品は、国内で転売できず、国外に持ち出さなければなりません。税関は、訪日客が出国時に免税品を所持せず、輸出した事実も確認されない場合、国内で消費したと見なして消費税を課税します。購入総額が1億円を超えるケースでは、渡航者の搭乗時に書面か口頭で課税を通知します。しかし、搭乗時刻に間に合わず、口頭での通知をしないまま出国させていました。国税通則法の改正により、22年4月からは文書だけではなく口頭での課税決定も認められていました。しかし財務省は「1億円以上の購入者は全員文書での決定が必要」と誤って税関側に伝えていたそうです。

 検査院によると、免税品を所持していないなどの不審な点があって消費税を賦課したケースは22年度に367件あったといいます。免税制度を悪用し、出国前に転売することで消費税分を不正に得るケースが後を絶たず、政府も抜本的な制度改正を検討しています。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2024月12月3日

《コラム》税額ゼロの事業専従者等の定額減税

 定額減税では納税者本人とその同一生計配偶者、扶養親族について所得税1人当たり3万円、個人住民税1人当たり1万円を納税者本人の所得税額、個人住民税所得割額から控除し、控除しきれない場合は1万円単位に切り上げて調整給付が行われます。

◆所得税、住民税所得割額ゼロの人にも給付
 ところで青色申告や白色申告の事業専従者や合計所得金額48万円超の人は、同一生計配偶者や扶養親族に該当しないため、納税者本人の定額減税の対象者になりません。これらの人は自身の所得税額や個人住民税所得割額から減税額を控除することとなるのですが、所得がゼロ、又は所得が少なく、所得控除や税額控除による所得税額や個人住民税所得割額がない人の場合は、定額減税の適用を受けることができません。
 しかし、これらの人にも一定の要件のもと原則4万円の調整給付(不足額給付)がされます。内閣官房「新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置」の「よくあるご質問(2024年7月1日更新)」及び国税庁「定額減税特設サイト」のQ&A(予定納税・確定申告関係)【令和6年8月改訂版】には、これらの人も調整給付(不足額給付)の対象となることが掲載されています。

◆不足額給付を受けるための要件
 事業専従者や合計所得金額48万円超の人が不足額給付を受けるためには、
①所得税および個人住民税所得割について定額減税前税額がゼロであること。
②低所得世帯向け給付(住民税非課税世帯への給付等)を受給していないこと。
③市区町村への申請手続き(必要書類の添付)が必要となります。

◆申請手続きは市区町村に確認する
 不足額給付の給付時期は令和6年分の所得税と定額減税の実績額が確定する令和7年以降になります。具体的な給付時期や申請手続き、必要書類については、市区町村による今後の案内を確認する必要があります。なお、申請を不要とする市区町村もあると案内されています。

◆趣旨から考えれば支給は当然ともいえる
 定額減税は政府の経済対策として賃金上昇が物価上昇に追い付いていない中で国民全体を視野に入れて税制と給付を組み合わせることで、様々な状況にきめ細かに対応することを目的として導入されました。所得税や個人住民税所得割ゼロの事業専従者や合計所得金額48万円超の人にも支給することは制度の趣旨に適うといえます。

コラム 2024月12月3日

《コラム》確定申告書作成コーナー新機能の紹介

◆今年は大きな新機能はなし
 国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に沿って金額等を入力すると、所得税や消費税及び贈与税の申告書や、青色申告決算書・収支内訳書等の作成、e-Taxによる送信ができます。毎年8~9月に新機能の紹介をしています。今年の内容を見てみましょう。

◆所得税のすべての画面がスマホ向けに
 確定申告書等作成コーナーでは、スマホ向けの専用画面の提供をしていましたが、令和6年までは一部がPC向け画面と同じ画面でした。令和7年1月からは、所得税のすべての画面でスマホ向けの専用画面の提供をするとしています。
 また、PCで表示される画面も大昔から利用していた古めかしい画面が一部出ていましたが、令和7年1月からはすべてデザインが統一される見込みのようです。

◆スマホ用電子証明書に対応
 令和6年まではe-Taxをマイナンバーで行う場合は、マイナンバーカードをスマホで読み取る必要がありました。令和7年1月からは、スマホ用電子証明書が利用できるようになるため、先にマイナポータルで申し込みをしておけば、マイナンバーカードの読み取りなしでe-Tax送信ができるようになります。
 ただし、令和7年1月から利用できるのはAndroidのみで、iOSについては春ごろリリース予定とのことです。

◆マイナポータル連携はすでに充実
 マイナポータル連携を行うと、マイナポータル経由で給与の源泉徴収票(勤め先がe-Tax経由で源泉徴収票を提出している等の場合)・生命保険・医療費・ふるさと納税等、様々な確定申告に必要なデータを一括で取得し、確定申告書の該当項目へ自動入力してくれます。
 給与収入のみのサラリーマンで、確定申告内容はふるさと納税と医療費控除のみといった場合は、もはや確定申告書はフォームに数字を入力することすら必要としていません。ひと昔前、サラリーマンの方ですと確定申告は「分からない・面倒」というイメージをお持ちの向きも多かったと思いますが、現在では自宅で24時間、スマホとマイナンバーカードがあれば気軽にできる手続きになっています。

税務トピックス 2024月11月26日

(前編)2025年1月から申告書等控えへの収受日付印の押なつ不要へ!

 国税庁では、納税者の利便性の向上等の観点から、「あらゆる税務手続きが税務署に行かずにできる社会」を目指しており、申告手続き等のオンライン化、事務処理の電子化、押印の見直し等、国税に関する手続き、業務の在り方の抜本的な見直し(税務行政のデジタル・トランスフォーメーション、以下:DX)を進めております。
 そして、2025年1月から国税に関する手続き等の見直しの一環として、申告書等の控えに収受日付印の押なつを不要とすると公表しました。

 この背景には、e-Tax利用率が向上しており、今後もe-Taxの利用拡大が更に見込まれることや、DXの取組みの進捗などが挙がっております。
 上記、対象となる申告書等とは、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他の書類のほか、納税者が、他の法律の規定により、若しくは法律の規定によらずに国税庁、国税局(沖縄国税事務所を含む)、税務署に提出される全ての文書をいいます。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、令和6年10月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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