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税務トピックス 2021月09月7日

最賃、過去最大の28円引き上げ

 厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」が2021年度の地域別最低賃金について、都道府県の時給を一律28円引き上げるよう求める目安を厚労相に答申しました。引き上げ幅は過去最大。経営者側は新型コロナウイルス感染拡大による経済状態悪化を理由に抵抗しましたが、政府方針を背景に引き上げで決着しました。
 新たな最低賃金は10月ごろから適用されます。時給換算で現行の全国平均902円は930円となる予定です。

 政府は16年度以降、経済再生のため早期に全国加重平均で1000円を目指すとし、19年度まで4年連続で3%以上(20円台)の引き上げが行われました。しかし20年度は新型コロナの感染拡大による企業業績悪化を背景に審議会は目安を示さず、0.1%(1円)の引き上げにとどまっていました。

 今回の引き上げには菅義偉首相の強い意思が反映された形です。コロナ禍で非正規労働者や医療など生活に不可欠なエッセンシャルワーカーの低待遇に注目が集まったことに加え、政府は地方移住を推し進める観点からも、賃金水準を底上げして地域経済を活性化させる必要性を強調してきました。

 6月に閣議決定した「骨太の方針」にも「早期に全国加重平均1000円」が盛り込まれています。衆院選を前にした今年は特に、庶民の生活底上げをアピールしたいという意識も見え隠れするといえそうです。

 一方、コロナ禍の影響でサービス業を中心に経営環境は厳しい状況です。特に中小企業にとっては人件費の増加は負担ともなります。こうしたことから日本商工会議所の三村明夫会頭は「先が見通せない中、大幅な引き上げは到底納得できない。多くの経営者の心が折れ、廃業がさらに増加し、雇用に深刻な影響が出ることを懸念する」とのコメントを発表しています。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2021月09月7日

《コラム》雇用保険料の引き上げ 雇調金増、財源が不足

◆雇用調整助成金の大幅増加

新型コロナウイルス感染拡大で休業を余儀なくされた企業の申請で、雇用調整助成金の給付が増えました。雇用調整助成金は企業が従業員に払う休業手当の費用を補助する制度で、仕事が減っても働く人を解雇せず、雇用を維持してもらうのが狙いです。
元々1人当たりの日額上限は8,300円でしたが、特例措置として今は売上げが大きく減少している企業には最大15,000円、助成率10分の10、原則としては13,500円、助成率最大10分の9となっています。
新型コロナの影響による支給決定額は20年3月~21年7月時点の累計で4兆円を超えています。リーマン・ショックの後も約6億5千億円で、今は6倍を超えています。失業率は抑えられた面もありますが、雇用保険料の財源はひっ迫してきています。

 

◆雇用保険料の財源

雇用保険は仕事を失った人のため、生活に困窮しないように給付するものと雇用安定・能力開発の2つに分かれています。企業からの保険料収入を財源にして、給付後の余剰は毎年積み立ています。ただこの度のコロナウイルス感染症で雇用安定事業の雇調金の給付が一気に拡大しました。
国の一般会計からの繰り入れ、失業者向け事業の方からの借り入れで賄っています。コロナ前に4兆5,000億円あった積立金が21年度には1,700億円になる見通しです。

 

◆厚労省が雇用保険料を上げる検討

積立金は16年以降保険料率を下げていましたが、余裕がなくなったため来年度は雇用保険料を上げる模様です。
失業者向け事業は労使で本来1.2%負担のところを0.6%で運用してきました。これをもし本来の料率に戻すと財源は1兆円規模で増加します。ただ被保険者が2倍の保険料徴収、企業も失業者向け部分の保険料が2倍となると負担は多大です。また、あまり意識したことはないと思いますが、雇用安定事業は事業主のみが負担していて、経団連等は国の一般会計からの拡充を求めています。
コロナ下で雇調金が雇用維持に一定の効果があったことは確かですが、休業手当の補助のため、人手不足企業などへの人材移動を阻む面があると言われています。

お知らせ 2021月08月31日

国税当局がウーバーイーツに照準

食宅配サービスのUber Eats(ウーバーイーツ)を運営するウーバーイーツジャパン(東京)に対し、このほど東京国税局が、配達員の報酬などについての情報提供を求めたことが分かりました。コロナ禍で巣ごもり需要が増すなか同サービスの利用は増加していて、配達員も全国で約10万人に上ります。一方で配達員の収入に見合った税務申告が行われていないとみられ、当局が〝照準〟を合わせている格好です。

ウーバーイーツの配達員は、契約上は雇用ではなく業務委託を受ける個人事業主に当たり、収入は事業所得として確定申告をする必要があります。しかし一部の配達員は申告を怠っていると当局は見ており、このほど同社に対し、全配達員の住所や氏名、年間の取引額、報酬の振込先口座などの情報を求めたそうです。

同社は配達員に対し、契約時に確定申告が必要となる可能性を説明していますが、今回の要請を受け、改めて契約している配達員らに対し、「近日中に税務署に情報提供を行う」とするメールを送信しました。
当局は近年、ウーバーイーツや民泊といった新しい形の商取引に対する監視を強めていて、今後さらにこうした調査は強化されていくとみられます

なおウーバーイーツにおける会社と配達員の関係については、業務委託ではなく雇用に当たるのではないかとの指摘も根強くあります。英国では配車サービス大手のUber(ウーバー)について今年2月に「個人事業主ではなく従業員として扱うべき」との最高裁判決が下されています。ウーバー社はその後、対象となる約7万人の運転手には最低賃金を保障するほか、休暇手当や年金への加入機会も提供することを決定しました。日本でも同様の議論が起きるのは時間の問題と言えそうです。

<情報提供:エヌピー通信社>

お知らせ 2021月08月31日

故人の加入保険を一括照会

死亡した近親者がどの会社のどのような保険に加入していたかを一括して照会できる新たな制度が7月にスタートしました。これまでは親が死んでどのような保険に加入しているか分からないときは、各保険会社に別々に問い合わせなければなりませんでした。生命保険協会に窓口が一本化されたことにより、今後は故人の保険の加入状況の把握が容易になります。また死亡以外に、認知症による判断能力の低下時や、自然災害などによって保険契約の有無が分からなくなった時にも利用が可能です。

新たな仕組みは、「死亡時」、「認知判断能力が低下した時」、「災害による家屋等の焼失や流出で契約の存在が不明となった時」の3つのケースで、本人や家族の依頼に応じて、生命保険協会が一括して加盟社42社に契約を確認するもの。死亡時であれば、保険金を請求可能かどうかも確認できるとのことです。

照会は生命保険協会のウェブサイトか書類の郵送によって行い、利用料は1回当たり3000円。ただしそれ以外にも、災害時を除いて確認書類として戸籍や所定の診断書などの提出が求められるため、別途の費用がかかることになりそうです。また調査依頼から結果が分かるまではおおよそ2週間とされています。

注意したいのは、照会できるのは契約の有無のみで、契約内容の詳細調査や請求手続きの代行などは行われない点です。もし調査の結果なんらかの契約があり、請求可能な状態となっているのであれば、そこからは自身で手続きを進める必要があります。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2021月08月24日

節税保険の規制強化

中小企業経営者の節税手法として活用されてきた一部の生命保険について、国税庁は名義変更時の評価方法を見直す改正通達を発遣しました。今後は低解約返戻金型の定期保険について、低額で経営者個人に譲渡して行う節税策が使えなくなります。規制の対象となるのは、2019年7月8日以後に加入した保険契約の、今年7月1日以降に行われる名義変更です。

今回の通達で見直されたのは、加入当初は保険料が割高な上に解約返戻金も極端に低く抑えられているものの、一定のタイミングで返戻金が急増するように設定されている保険商品の評価ルールです。保険の譲渡額は、譲渡時の解約返戻金相当額で評価されるため、法人で加入して割高な保険料を会社で負担し、返戻金が急増する直前に名義を経営者個人に変えると、経営者は低い返戻金相当の金額で保険契約を手に入れ、その後、急増した高額の返戻金を受け取れるという仕組みになっていました。

改正通達では同種の保険について、個人が会社から保険を譲渡される時の評価額の計算方法を変更し、解約返戻金が法人の資産計上している保険料の7割に満たなければ従来の解約返戻金としてではなく資産計上額で評価するとのルールを提示しました。それまで支払ってきた保険料と返戻金に著しいかい離が生じているときには、返戻金相当額での譲渡を認めないことになります。

なお、先立って発表されたパブコメの募集結果では、当局は「今回の見直しの対象は、法人税基本通達9-3-5の2の適用を受ける保険契約等に関する権利としていますが、法人税基本通達の他の取扱いにより保険料の一部を前払保険料に計上する『解約返戻率の低い定期保険等』及び『養老保険』などについては、保険商品の設計などを調査したうえで、見直しの要否を検討することとしています」と答え、今後のさらなる規制強化にも含みを持たせています。

<情報提供:エヌピー通信社>

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