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税務トピックス 2021月01月26日

(後編)2020年度税制改正:5G導入促進税制の適用開始!

(前編からのつづき)

 具体的には、導入計画に記載された設備(機械・装置、器具・備品、建物付属設備・構築物)の取得等をしてその事業の用に供したときは、設備の取得価額の30%の特別償却又は15%の税額控除の選択適用ができます。

 また、地方税では、固定資産税の課税標準が取得後3年間1/2に軽減され、対象事業者は、ローカル5G用無線局の免許人や携帯通信事業者で、全国基地局の前倒し整備を支援することから、5Gの携帯電話などの5Gによる無線通信サービスの提供を行う電気通信事業者や地域の企業等が自ら構築するローカル5Gの整備を支援することから、5Gを自ら活用して研究開発その他の様々な事業活動を行う法人が対象となります。

 5Gは、超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続という特徴を持つ次世代の基幹インフラで、建設現場での建機遠隔制御や農家が農業を高度化する自動農場管理等、人手不足の地方での活用も期待されており、総務省では、5G導入促進税制の適用を、2020年度は160件、2021年度は210件、2022年度は310件を見込んでおります。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、令和2年12月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

コラム 2021月01月19日

《コラム》サラリーマンの副業・兼業促進ガイドラインのチェックポイント

◆副業解禁の波はまだ緩やか
 総務省の調査によると副業・兼業を希望する者は年々増加傾向にあります。その理由は、収入を増やしたい、1つの仕事だけでは生活できない等の経済的なことから、自分が活躍できる場や様々な分野の人脈を広げたい、スキルアップのため等、多様です。
 しかし、2014年の調査では、国内の80パーセント以上の企業が、社員の副業・兼業を認めていなかったようです。
 企業にとっては、自社での業務が疎かになること、情報漏洩のリスクがあること、競業・利益相反になること等の懸念や、副業・兼業に係る就業時間や健康管理の取扱いのルールが分かりにくい等の様々なハードルがあるために、制度の導入には慎重にならざるを得ない様子が伺えます。

◆「働き方改革」で副業・兼業を推進の動き
 政府は現在、起業の手段として有効で、地方創生に資する面があり、社会全体としての利益に繋がることが期待できる副業・兼業を、普及促進する方針をとっています。
 そこで、企業にとっての課題を踏まえ、現行の法令のもとでどのような事項に留意すべきかをまとめた「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を示しています。

◆ガイドライン改定でルールがより詳しく
 令和2年9月、本ガイドラインが改定され、労働時間の通算安全配慮義務、秘密保持義務、競業避止義務、誠実義務等についての記述が新設されています。
 注目すべきは、労働時間の通算管理に関する事項です。長時間労働や健康被害を防ぐため、企業は労働者からの自己申告により副業で働いた時間を把握し、本業と副業労働時間を通算して労務管理を行うとしています。
 また労働時間管理については、簡便な方法として「管理モデル」が示されており、このモデルに従えば、使用者は副業・兼業をしている社員をあらかじめ設定した労働時間の範囲内で労働させる限り、副業先の使用者の下での労働時間を把握しなくても、労基法を遵守することが可能となります。
 国の指針や裁判例からみても、時代の流れは、副業・兼業を企業が認める方向に向かいそうです。ニューノーマルが求められる時代です。ガイドラインを見てみるのもよいでしょう。

税務トピックス 2021月01月19日

馬券訴訟、高裁で納税者が逆転敗訴

馬券の払戻金の所得区分を巡る争いで東京高等裁判所は11月、「雑所得」として経費に算入できるとした一審の判決を取り消し、国が主張していた「一時所得」に該当するとの判断を下しました。一時所得では外れ馬券の購入費は経費として控除できず、当たり馬券の払戻金のほぼ全額が課税対象となります。

 今回の裁判で東京高裁は、払戻金が雑所得に該当するには「営利を目的とする継続的行為から生じた所得」であるべきとの最高裁判例を前提に、納税者が馬券を購入するにあたって継続性や営利性があるか否かで判断するべきとしました。そこから今回の裁判事例では馬券購入に回収率が100%を超えることが期待できるような独自のノウハウは認められず、ある程度の期間にわたって継続して利益が上がると客観的には言えないことから、国の主張する一時所得に当たると結論付けました。

 競馬を含むギャンブルの配当金は従来、一時所得として処理するのが通例でしたが、2015年に大阪府の男性が起こした裁判で納税者が勝訴したことで流れが変わりました。争いが最高裁までもつれた結果、「偶発性に左右される一般の馬券購入と異なり、ソフトを使用して継続的に馬券を購入することによって個別のレースの当たり外れの偶然性を抑えている」として、払戻金は雑所得と認定されています。

 その後、自動購入ソフトを使わずレースごとに結果を予想していた別の男性も最高裁で雑所得認定を勝ち取り、国税庁は新たな通達を提示。網羅性や金額の規模性、継続性、営利性などをすべて備えていれば、自動購入ソフトを利用していなくても、外れ馬券を経費にできることとなりました。ただ、その判断で納税者と税務署の見解が異なることも多く、いまだにトラブルは続いている状況です。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2021月01月12日

【時事解説】VUCA時代のリーダーシップとは その2

コロナ禍では世界が一変し、新たな常識が生まれました。そんな先の見えない今、「VUCA(ブーカ)」というキーワードが注目されています。これは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(多義性)」の頭文字を連結した言葉です。

 VUCAの時代に適したリーダーシップのスタイルとはどのようなものでしょうか。ハーバード・ビジネススクールのリンダ・ヒル教授が提唱する「羊飼い型リーダーシップ」はVUCAの時代に適したリーダーシップの姿だと言えます。

 具体的な特徴を説明しましょう。羊は羊毛や食肉として用いられます。羊を飼育する際、羊飼いは群れを野原に連れ、草を食べさせなければなりません。ときには、オオカミなどの敵から羊を守り、あるいは迷子になったものがいれば探して群れに戻すことが必要になります。

 羊飼いは群れの最後方に位置するのが特徴です。先頭は別の人が立つ形をとります。たとえば、移動の際、橋がかかっていない川に直面したなら、橋を架けることを得意とする人が先頭をとります。新規の野原に向かうときは、道に詳しい人が先頭に変わります。時には、牧羊犬を走らせ、羊を目的地に誘導するときもあります。このように、状況次第で先頭が次々と変わっていきます。

 リーダーが先頭に立っていると、前はよく見えますが、自分よりも後方に位置する景色は見えにくいものです。環境の変化をいち早く察知し、状況を的確に把握したうえで場面に適した人材を据えるには、リーダーは後方にいたほうが都合がよいのです。このように、VUCAの時代では、必要とされる能力も変わります。何が重要なのか、意識をしながら、対応していくことが必要です。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

コラム 2021月01月12日

【時事解説】VUCA時代のリーダーシップとは その1

最近、「VUCA(ブーカ)」というキーワードが注目されています。これは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(多義性)」の頭文字を連結した言葉です。もともとは軍事用語として用いられていました。この言葉が生まれた背景には、アルカイダのような非国家が前面に出たことで、過去の常識は通用しなくなったことが一つとしてあります。その後、世の中は落ち着きを取り戻したものの、コロナ禍で再び不確実性が高まり、VUCAが注目されたのです。

 コロナ禍では常識が覆され、世界が一変しました。先の見えない現在、まさにVUCAの時代です。VUCAの時代では、これまでの基準が変わり、良いとされていたものが必ずしも良いとは限らなくなっています。

 一例を挙げると、リーダーシップのあるべき姿がそうです。従来、リーダーシップというと、カリスマ性を備え、先頭に立って部下を率いるタイプがもてはやされる傾向がありました。ただ、VUCAの時代では、変動性や不確実性が高くなったため、リーダーの要素としては、いかに迅速に変化へ対応できるかといった能力がより重要になっています。

 具体的に、どのようなリーダーが変化に対応しやすいのでしょうか。一つに、「羊飼い型リーダーシップ」があります。これは、ハーバード・ビジネススクールのリンダ・ヒル教授が提唱したリーダーのあるべき姿です。「羊飼い型」と銘打たれているように、リーダーは群れの後方に位置して、全体をつかさどります。後方にいる方が、全体がよく眺められ、変化への対応が迅速になります。これまでとは全く異なるリーダーのスタイルが危機を救うには適しているのです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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