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税務トピックス 2022月04月5日
国税庁はこのほど、「消費税還付申告に関する当局の対応について」とする文書を公表し、消費税の申告から還付まで時間がかかるケースがあることに対して理解と協力を求めました。背景には、後を絶たない悪質な不正還付への対応を強化していく方針があるとみられます。
消費税は、仕入れ時に支払った消費税と、売上時に受け取った消費税を通算し、年間を通して売上時に受け取った額のほうが多ければ差額分を納税し、逆に仕入れ時に支払った額のほうが多ければ還付を受ける仕組み。その不正還付とはすなわち、仕入れ時に支払った消費税額を実際より多く申告することで、高額な還付金を受け取る行為を意味します。
たびたびの増税で消費税率が10%となり、不正還付による〝旨味〟は増しつつあります。それに伴い不正還付も後を絶たない状況です。
当局は不正還付を「国庫金の詐取」だとして厳しく調査をしていますが、年間20万件にも及ぶ還付申告のすべてを精査するのは難しく、審査に時間をかけざるを得ません。こうした状況のもと国税庁がこのほど公表した文書では、「取引等の相手方と連絡が取れないことなどにより取引の実態の確認が困難である場合や、取引に係る金銭授受の事実確認が困難である場合、輸出等に係る証拠書類が適切に保管されていない場合などにおいては、それらの確認に時間を要し、還付を保留する期間が長期にわたる」と釈明。「還付税額が過大と認められる事由がないことが判明した場合には、遅滞なく還付を行うこととしています」として、納税者に理解と協力を求めました。
当局にとっても、還付が遅れると納税者に対して還付加算金を支払わなければならず、審査の効率化とスピードアップは喫緊の課題。そこで最新の22年度には、消費税の不正還付に当たる専担ポストとして、「消費税専門官(仮称)」を全国の各国税局、13税務署に置くことをすでに決定しています。今後さらに消費税の還付申告に対する調査は厳しさを増しそうです。
<情報提供:エヌピー通信社>
コラム 2022月03月29日
相続で土地、建物、株式などの財産を取得した後、これらを譲渡した場合、譲渡所得に所得税が課されます。この場合、相続財産の譲渡に係る「取得費加算の特例」を利用することにより譲渡した資産に対応する相続税額を取得費に加算し、譲渡所得を減らすことができます。
◆相続人の譲渡所得税の負担を軽減する制度
この制度は、相続により財産を取得した者が、納税資金の捻出などのため、相続財産を売却しようとする場合、被相続人の取得時から蓄積されたキャピタルゲインに課税されることから、納税者の所得税負担に配慮した調整措置として設定されています。
◆適用要件は3つ
この制度を利用する要件は次の3つです。
①相続または遺贈により財産を取得した者であること。
②その財産を取得した者に相続税が課税されていること。
③その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後、3年を経過する日までに譲渡していること。
◆上場株式の譲渡で申告不要の選択に注意!
上場株式を譲渡した場合、申告分離課税で申告するか、申告不要とするかを選択することになりますが、先に申告不要を選択したときは、後で「取得費加算の特例」を適用した方が有利であることに気付いたとしても、既に申告不要で確定申告しているので更正の請求は難しくなります。
租税特別措置法には、やむを得ない事情がある場合に「取得費加算の特例」を認める宥恕規定があります。しかし、確定申告で申告不要を選択したことだけでは、その申告が計算の誤りや国税に関する法律の規定に従っていなかったとされず、宥恕規定の適用が認められなかった判例があります。
◆相続空き家の特例とは重複できない
相続で空き家を取得した後、譲渡した場合、一定の要件を満たせば3000万円の特別控除ができる「相続空き家の特例」を適用できますが、適用した家屋と敷地に「取得費加算の特例」は重複適用できません。
なお、相続した土地に居住用家屋と倉庫がある場合、被相続人の居住用家屋とその家屋に対応する敷地の譲渡には「相続空き家の特例」を適用し、「相続空き家の特例」が適用されない倉庫とその倉庫の敷地の譲渡には「取得費加算の特例」を適用する使い分けができます。
コラム 2022月03月29日
◆民法の成年年齢の改正と税法
平成30年(2018年)6月13日に民法改正法が成立し、成人年齢が20歳から18歳となりました。
それを承けて、税法上の対象年齢を20歳から18歳に引き下げる様々な規定の改正が平成31年にありました。
以下、一覧列挙してみます。
①相続税の未成年者控除の対象相続人
②相続時精算課税制度における受贈者
③直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例における受贈者
④非上場株式等に係る贈与税の納税猶予における受贈者
⑤NISA非課税口座開設可能居住者
⑥ジュニアNISAの開設並びに非課税管理勘定及び継続管理勘定の設定可能居住者
⑦国税犯則調査手続における臨検等及び国税徴収手続における捜索の立会人並びに税理士となる資格を有する者
上記⑤と⑥は令和5年(2023年)1月1日からの適用で、他は改正民法の施行日と同一の令和4年(2022年)4月1日からの適用です。
◆未成年者控除の改正内容
この中の未成年者控除については、平成25年度税制改正で、成人に達するまでの1年あたり6万円から10万円に増額されています。
今年の4月からの控除額の計算式は、(18歳-相続開始時の年齢)×10万円=になります。
また、未成年の内に何度かの相続を経験する場合での2回目以降の未成年者控除額は、過去の相続での負担すべき相続税額が少なくて控除仕切れなかった場合の控除未済額となります。
◆控除未済額の修正計算
1回目の相続が令和1年(11歳、相続税額50万円)に開始したとした場合、1回目の控除可能額は90万円(=(20歳-11歳)×10万円)となり、相続税額を超えているので相続税額全額が控除され、控除未済額40万円あったことになります。
2回目の相続が令和4年(14歳、相続税額100万円)に開始したとした場合、1回目相続時の控除未済額を、18歳に達するまでの年齢で計算し直し、20万円(=(18歳-11歳)×10万円-既控除額50万円)とします。これが、2回目の控除額となります。
税務トピックス 2022月03月22日
コロナ禍で打撃を受けた事業者に資金繰り支援を行う政府系金融機関の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)が、3月末で申し込み期限を迎えます。コロナ禍以降、政府主導で55兆円もの巨額資金が全国の事業者に貸し出されましたが、今後は返済が本格化していくことになります。夏の参院選を前に与党内には事業者への追加支援を模索する動きもありますが、財務省幹部は「一部の(返済が)厳しい人のために全員一律で救済するようなことは絶対にしてはいけない」とクギを刺しています。
ゼロゼロ融資は2020年3月にスタート。利子を各都道府県が負担し、元本は政府の財源を裏付けとした信用保証協会が肩代わりすることで、事業者は実質無利子・無担保で融資を受けられます。21年末で終了する予定でしたが、岸田政権が昨年秋に策定した経済対策の一環として今年3月末まで延長されていました。
21年の企業倒産(負債額1千万円以上)は対前年比22%減の6030件と歴史的な低水準となり、ゼロゼロ融資が果たした役割は鮮明です。一方で、「コロナがなくても存続できなかった『ゾンビ企業』まで延命されており、経済の新陳代謝を妨げている」(経済官庁幹部)との厳しい指摘もあります。
ゼロゼロ融資の終了により、22年は倒産件数の増加が懸念されます。財務省幹部は「支援の手じまい方が重要で、やり方を間違えると多くの人が路頭に迷ってしまう」と述べる一方、「返済できる人にはしっかり返してもらうことが大事だ。返済猶予などの支援策を講じる際にも、本当にコロナが理由で苦境に陥っている事業者なのかしっかり見極めていく必要がある」と強調しました。アフターコロナを見据え、公的資金に頼らずとも「独り立ち」できる経営力が求められているようです。
<情報提供:エヌピー通信社>
税務トピックス 2022月03月22日
国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担の割合を示す「国民負担率」が、2021年度は48%に達し、過去最大となる見込みであることが分かりました。財務省が2月中旬に発表しました。所得が増えたものの、税金の増加がそれを上回るとのことです。一方22年度は46.5%で、7年ぶりに低下すると試算しました。
「国民負担率」は、個人や企業の所得などをあわせた国民所得に占める税金や社会保険料の負担の割合で、公的負担の重さを国際的に比較する指標。財務省の発表によれば、21年度の国民負担率は、前年度から0.1ポイント上がって48.0%となり、これまでで最大となりました。企業業績が回復したことで所得が増えたものの、法人税などがそれを上回る伸びとなったことから負担率がわずかに上昇しました。
また国の財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、3回の補正予算を組んだ前の年度と比べて今年度は財政赤字の額が少なかったため2.1ポイント減少し、60.7%となる見込みです。
財務省は同時に、22年度の負担率も試算しました。それによれば22年度は国民の所得の改善がさらに見込まれるとして、国民負担率は1.5ポイント下がって46.5%となり、7年ぶりに低下する見通し。潜在的な国民負担率も3.8ポイント下がって56.9%となる予想とのことです。
国民負担率は、高齢化による社会保障費の増加の影響などで1970年度以降増加傾向が続いています。ただ諸外国をみるとフランスが67.1%。ドイツが54.9%など、日本は先進国の中では負担率が相対的に低いのも事実です。
<情報提供:エヌピー通信社>
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