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税務トピックス 2024月06月18日

外国人旅行客への消費税還付迅速化

 外国人旅行客向けの消費税免税制度について、政府は新たな仕組みの導入を検討しています。訪日客が日本国内で買い物した際、いったんは消費税を含む代金を支払いますが、出国時にクレジットカードなどを経由して還付を受ける仕組みの導入を検討しているとのことです。 年内に制度を固めて2025年度以降の実施を目指します。

 政府はこれまでも、インバウンド需要の喚起のためとして、訪日客に対する税優遇制度を打ち出してきました。14年10月には訪日客向けの消費税免税制度が改正され、食品や化粧品なども免税対象に追加。これにより、転売を目的とする〝転売ヤー〟の存在も問題視されるようになりました。

 政府の「見直し案」では、商品の転売を防ぐため、購入額が一定以上の場合は出国時に空港で現物を確認した上で税金分を返金することとします。

 現行の制度では、訪日客が通常の生活で使う商品を5千円以上買った場合、事業用や販売用としての購入を除き、輸出と実質的に同じとみなされて消費税が免除されます。免税店で旅券を提示すれば、消費税を支払わずに買い物ができます。その後に購入者は空港の税関で旅券を提示する義務があり、税関は必要に応じて物品を確認することになっていますが、実際には厳格な検査を受けずに出国する人が多いといいます。

 こうした事情から「見直し案」では、空港での現金による還付は手続きが煩雑になるため、キャッシュレスによる還付を促す方針です。
 新たな方針を受け、免税店としての登録を急ぐ小売事業者が増えるものと予想されています。また、いわゆる〝キャッシュレス決済関連産業〟にとってはビジネスチャンスとなりそうです。

 一方でインボイス制度による負担増に喘ぐ多くの国内事業者からは、「われわれには消費税の課税強化、訪日客には消費税の免税と還付の迅速化。インボイスとインバウンドとではこれほどの税格差。不公平過ぎる」との声も聞かれます。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2024月06月11日

《コラム》ミッション・ビジョン・バリューとは

◆会社の価値観を形にする経営理念
 会社に経営理念があると従業員1人1人の努力のベクトルが同じ方向を向くことができ、ひいては会社の業績につながるものです。従業員が「毎日何のために自分が努力しているのか」と感じた時に売上げを伸ばすだけではない価値観を持てると持てないとでは働くモチベーションも違ってくるでしょう。
 経営理念は初めて作る時、あまり難しく考えずに社長が普段から考えている「理想の会社の姿」を文書に落とし込めばいいのです。今はその言葉をヒントにAIに手伝ってもらうこともできる時代です。
 理念をもとにそれを実現してゆくにはどうすればよいのかを1つの目標として社内が団結して行動できることで企業の成長となり得るでしょう。

◆経営方針に対する3つの考え方
 経営理念にはミッション、ビジョン、バリューとありますが、ピーター・ドラッガーによる定義ではミッションとは「使命」「目的」「存在意義」などを指し、ビジョンは「将来像」「あるべき姿」を表し、バリューは「価値観」「行動指針」を表すとしています。
 経営理念を制定するときは、まずビジョンを考えます。企業が目指す将来を明確にすることでミッションも整理しやすくなります。ミッション実現後の理想像をメンバーと共有します。
 ミッションは事業の「目的」「使命」を指し、企業として果たすべき使命、「顧客や社会が求めているもの」が理想的です。まずは社長が自らの思いを経営陣を交えて共有し、議論し定めます。
 その後、従業員の価値基準・行動指針となるバリューを策定します。ミッションとビジョンは会社が主体ですがバリューは従業員が主体です。ミッション、ビジョンの達成のために従業員はどのような行動を取るべきかをわかりやすく言語化する必要があります。バリューは多すぎないよう5個以内が良いでしょう。策定には従業員も含めた話し合いが良いでしょう。
 行動指針が具体化されることで従業員の当事者意識が高まりモチベーションアップにつながり、この3つがうまく機能することで会社の発展につながることでしょう。

税務トピックス 2024月06月11日

経営者保証外せる新制度 過半数「知らない」

 東京商工リサーチが実施したアンケートで、保証料率を上乗せすることで経営者保証を外せる新制度について、事業者のうち過半数が「知らない」と答えました。

 新制度は3月にスタート。保証料率を上乗せすることで経営者保証を外せます。資金調達の際に経営者保証を提供している事業者のうち、「制度が始まったことを知らない」との回答が53.2%に上りました。「制度が始まったことは知っているが利用予定はない」が39.7%で続き、「すでに利用した(申し込んだ)」と答えたのは7.0%にとどまりました。
 「制度が始まったことは知っているが利用予定はない」と回答した理由では「保証料率が上乗せされるため」が27.5%で最多。次いで「債務超過ではない、2期連続で償却前経常利益が赤字ではないとの利用要件を満たさない」が22.5%、「経営者保証を外すと金融機関との関係が悪化すると感じるため」が21.4%となっています。

 新制度は、①過去2年間(法人の設立日から2年経過していない場合はその期間)に決算書等を申込金融機関の求めに応じて提出していること、②直近の決算で代表者への貸付金等がなく、かつ、代表者への役員報酬、賞与、配当等が社会通念上相当と認められる額を超えていないこと、③直近の決算において債務超過でないこと、または直近2期の決算で減価償却前経常利益が連続して赤字でないこと、④前記の①と②については継続的に充足することを誓約する書面を提出していること――の全てを満たした上で保証料率を上乗せすると、経営者保証を提供せずに済みます。

 制度を適用するために上乗せする保証料率は、③の要件を両方満たすなら本来の保証料率に0.25%、いずれか一方を満たすか法人設立後2事業年度の決算がないなら0.45%となります。制度開始後、3年間の時限措置として上乗せする保証料率のうち一部を国が補助します。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2024月06月4日

《コラム》現物配当(現物分配)の税務

 株式会社は、利益の配当をする場合、金銭以外の財産を配当対象とすることができ、これを現物配当(現物分配)といいます。

◆適格現物分配
 現物分配の税務上の取扱いについては、組織再編税制の一つと位置付けされ、配当する法人を「現物分配法人」、配当を受け取る法人を「被現物分配法人」とするとの規定を置き、そのうち、現物分配法人が内国法人で、被現物分配法人がその現物分配の直前に現物分配法人との間に完全支配関係がある内国法人であるものを「適格現物分配」というと規定しています。
 適格現物分配の場合には、適格現物分配の直前の帳簿価額により現物分配対象物件が譲渡されたものとして取り扱われ、含み損益に対する課税はなされません。また、利益の配当なので、利益積立金額を同額減少する税務会計処理をします。なお、所得税法上、適格現物分配は配当等の範囲から除かれており、現物分配法人には源泉徴収義務が生じません。

◆現物分配と消費税
 また、配当は消費税法で定める「対価を得て行われる資産の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供に類する行為」に該当しないので、建物等を現物分配した場合であっても消費税対象外取引(不課税取引)という扱いにされます。

◆現物分配の便利な利用
 ちなみに、現物分配は、会社法で禁止されている子会社の親会社株式保有状態の解消方法として利用されたり、子会社の子会社(孫会社)を子会社に会社関係の再編(兄弟会社化)のために使ったり、もされています。

◆子法人株式に限った現物分配
 この兄弟会社化にする現物分配については、平成29年度税制改正で、非適格現物分配のうち、完全支配子法人株式を対象とする現物分配を、他の者による支配関係がない上場企業のような法人が実行する場合、これを「株式分配」という新類型の組織再編行為と規定し、共同事業要件を簡易にした5要件を充足すれば、適格株式分配として含み損益に対する課税のない帳簿価額での税務会計処理をするものとされました。なお、令和5年度税制改正では、子会社株式を現物配当するに際し、親会社に20%未満の出資持分を残すことも条件付きで許容する税制適格株式分配にもなっています。

コラム 2024月06月4日

《コラム》相続登記は3年以内に!

 被相続人、相続人ともに高齢化が進み、相続が短い期間に連続して起きることが、今後、常態化するものと思われます。
 不動産の相続についても遺言や遺産分割協議により取得者を登記しないと、相続を重ねるうちに法定相続分で分割され、実質的な引き取り手はいなくなり、所有者不明土地となる原因となります。
 数次にわたり相続がされている場合は、法定相続人がたくさんいて、代襲相続人を含め、遺産分割協議で取得者を決めることが難航することも予測されます。早めの遺言書作成や遺産分割協議で土地の帰属者を決めることが必要です。

◆相続開始から3年以内に登記
 令和3年の法律改正で、令和6年4月1日以降に相続が開始した場合は、不動産の取得を知った日から3年以内の相続登記が義務化されました。また、令和6年4月1日前に相続が開始して取得した不動産は、令和9年3月31日までの猶予期間に相続登記が必要になります。正当な理由なく相続登記しない場合は、10万円以下の過料が課される可能性があります。

◆相続人申告登記で過料を回避
 遺産分割協議が難航し、3年以内の相続登記が見込めない場合、相続登記義務を履行したものとみなす簡易な措置として「相続人申告登記制度」が、令和6年4月1日から開始されました。相続人は対象不動産を特定し、戸除籍謄本等を添付して、①所有権の登記名義人について相続が開始したこと、②自らが、その登記名義人の相続人であることを法務局の登記官に申し出ます。
 なお、相続人申告登記をした後、遺産分割協議によって不動産を取得した場合は、遺産分割の日から3年以内に、遺産分割の内容に応じた相続登記が必要になります。

◆相続登記の登録免許税の免税措置
 相続登記に伴う登録免許税については、令和7年3月31日までの登記について次の2つの免税措置があります。
(1)相続により土地を取得した相続人が相続登記をしないで死亡した場合
 相続人が相続により取得した土地の所有権移転登記を受ける前に死亡したときは、その死亡した相続人を登記名義人とする登記について、登録免許税は課されません。
(2)不動産の価額が100万円以下の土地
 土地の相続による所有権移転登記、表題部所有者の相続人が受ける所有権の保存登記について、登録免許税は課されません。

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