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税務トピックス 2021月06月8日

ユーチューバーに税務情報提出を義務付け

米グーグル社の日本法人はこのほど、動画配信サイト「Youtube(ユーチューブ)」の動画投稿者に対して税務情報の提出を義務付けることを通知しました。米国で動画投稿者への課税が強化されることを受けた措置で、5月31日までに提出しないと最大で収益の約4分の1を源泉徴収するとしています。

ユーチューブのコミュニティページによれば、今年6月以降、米国以外に在住する投稿者が米国内で得た収益に対して税金がかかる可能性があるそうです。動画投稿者が得られる再生数に応じた広告収入、配信中に視聴者から得られる〝投げ銭〟に当たる「スーパーチャット」、有料メンバーシップの会費などを米国在住の視聴者から得ていると、米国での所得税の対象となることが理由です。対象となる投稿者は、マイナンバーをグーグル社に提出する必要があるとしています。

実際には、日本の投稿者が米国の視聴者から利益を上げていても、米国の税金はかかりません。両国は、二重課税を防止するための租税条約を締結していることがその理由です。
しかし期限までに税務情報を提出していないと、条約による優遇措置が適用できず、最大で収益の24%が源泉徴収されてしまう可能性があります。

小学生のなりたい職業で「YouTuber(ユーチューバー)」が上位にランクインするなど、人気の動画投稿者はいまや多額の所得を得る存在です。最近では、2Dのイラストや3DCGなどの外見を用いて配信する「バーチャルユーチューバー」も人気を博しています。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2021月06月1日

《コラム》日本経済の救世主になれるかM&A促進税制

◆政府がM&Aに熱い視線
経済産業省は、1年ほど前に公開した「中小M&Aガイドライン」でM&Aの後押しをする姿勢を鮮明にしています。
「中小M&Aガイドライン」によると、2025年までに、平均引退年齢の70歳を超える中小企業の経営者が約245万人おり、うち半数の約127万人が後継者未定とのことです。
廃業による経営資源の散逸が積み重なることにより、優良な経営資源が活用されないまま喪失されてしまうことは、日本経済の発展にとって大きな損失との認識で、M&Aの普及がその対策として有効な切り札であり、生産性の向上にも資するとしています。そして、10年で60万、年平均10万のM&A契約を成就するとの計画を立てています。

◆計画実現のために役割喚起
そのため、売り手・買い手を繋ぐM&A専門業者の活性化を期待するとともに、商工団体、金融機関、弁護士・公認会計士・税理士といった各分野の専門家に向けても、それぞれの分野別にM&A支援として期待される役割や留意点などを提示しています。
M&A業界は、30年ほどの歴史の新興産業で、現在の専門業者数は300社程度とのことです。日税連もホームページでM&Aのマッチングをすすめています。

◆切り札としてのM&A促進税制
令和3年度税制改正の中に、M&A促進税制が二つあります。
1.株式交付M&Aでの譲渡益繰延制度
2.M&A投資リスクに備えるための株式取得価額の70%損金算入制度
株式交付の場合の譲渡益繰延制度創設は、2019年中に経産省が改正要望事項としてあげていたものですが、会社法の株式交付制度創設の施行予定が2021年3月1日となっていたので、1年遅れでの立法となりました。これは、売り手側への優遇税制です。
もう一つの優遇税制は、買い手側に対するものです。
M&A対価の70%損金算入の新制度の要件は次の内容です。
・青色申告中小企業者が対象
・経営力向上計画による取得
・株式の取得価額10億円以下
・投資損失準備金の計上
・6~10年経過時準備金の取崩し
・中小経営強化法改正が前提
・令和6年3月31日まで適用

コラム 2021月06月1日

《コラム》労災保険特別加入の対象拡大

◆新たに3業種が追加
労災保険は事業に雇用されている労働者の業務上のけがや傷病を補償するものですが、災害発生状況の多い個人事業主に対しても加入が認められている特別加入制度があります。現在は中小企業事業主、建設業の一人親方、農林漁業の従事者、海外派遣者、個人タクシー業者、個人貨物運送業者等が特別加入の対象者ですが、4月1日より対象範囲が拡大されることになりました。

◆新たに対象となる業種
①芸能従事者……テレビや映画、舞台の俳優・監督・演出家・スタッフ・音楽家等。芸能従事者は業務上のけがや事故が多いことから特別加入の対象になることを強く希望していました。長年の議論によって認められることとなりました。
②アニメ―ション制作従事者(アニメーター)……時代とともにアニメーション制作も増え、雇用されていない制作者が多くいることから対象となりました。
③柔道整復師
厚労省ではこれら3業種の就労者は約29万人いるとみて、約1万5000人の加入を想定しているとのことです。

◆創業支援等措置の高齢者も加入可能に
労災保険の特別加入の対象拡大は4月1日施行の高年齢雇用安定法改正(70歳までの雇用努力義務)によって新設された創業支援等措置の対象者にも適用されることになりました。
創業支援等措置は65歳から70歳までの労働者の就業機会を確保するための高齢者就業確保措置の1つで、雇用にはよらないため業務委託契約を締結する必要があります。企業側も措置の実施に関する計画書の作成、労働者代表者との同意が必要になります。

◆特別加入をするには
労災保険の特別加入はそれぞれの業種の特別加入団体(中小企業は事務処理を委託する労働保険事務組合)を通じて所轄の労働基準監督署に手続きを行うことで補償を受けることができます。新しい業種の加入希望者は既存の団体に加入するか、新たに特別加入団体を設立することになります。

税務トピックス 2021月05月25日

(後編)2019事務年度における海外取引法人等に係る実地調査結果を公表! 国税庁

(前編からのつづき)

それによりますと、機械製品の販売を営む法人甲は、金融口座情報を交換する新制度に基づく非居住者金融口座情報により、軽課税国に所在する海外子会社Aの関連口座に多額の蓄積があるものの、申告書に適正に反映されておらず、外国子会社合算税制上の問題があると想定されたため、実地調査の通知をしたところ、実地調査開始前に海外子会社Aが外国子会社合算税制の対象になるとして修正申告書が提出されました。

さらに実地調査をしたところ、新たに軽課税国に所在する海外子会社Bを把握するなど、法人甲に係る外国子会社合算税制の適用誤りを把握しました。
甲に対しては、法人税1年分の申告漏れ所得金額5億7,800万円について追徴税額4億7,900万円を課税されました。

企業等の事業、投資活動のグローバル化が進展するなか、海外取引を行っている法人の中には、海外の取引先への手数料を水増し計上するなどの不正計算を行うものが見受けられ、国税庁では、このような海外取引法人等に対し、国外送金等調書や租税条約等に基づく情報交換制度を積極的に活用するなど、深度ある調査に取り組んでおります。

(注意)
上記の記載内容は、令和3年4月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

税務トピックス 2021月05月25日

(前編)2019事務年度における海外取引法人等に係る実地調査結果を公表!

国税庁は、2019事務年度(2020年6月までの1年間)における海外取引法人等に係る実地調査結果を公表しました。
それによりますと、新型コロナウイルス感染症の影響のため、調査件数等が減少しているものの、海外取引法人等に係る実地調査が1万3,116件(前年度比16.2%減)実施されました。

そして、海外取引等に係る非違があったものが3,636件(前年度比16.7%)把握され、海外取引等に係る申告漏れ所得金額も2,411億円(同65.4%減)あり、非違があったうちの497件(同23.1%減)は不正計算があり、不正所得金額は183億円(同19.4%減)となりました。
国税庁では、海外取引に係る脱税や租税回避を防ぐために各国の税務当局と金融口座情報を交換する新制度(CRS)を積極的に活用しており、2019事務年度においても、外国税務当局から受領した金融口座情報を端緒に取引の全貌を解明し、外国子会社合算税制の適用回避等を把握したケースが挙がっております。

(後編へつづく)

(注意)
上記の記載内容は、令和3年4月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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